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王子さまの裏の顔
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ソファに腰掛けて、向かい合う。
さっき先生から預かった、プリントを出す。
作業はプリントを種類ごとに分けて、別紙にまとめるという至ってシンプルな物だった。
「中田はプリント分けて。それを俺がまとめるから。」
「…おう。」
まぁ、俺にまとめる頭脳も集中力もないから、当たり前なんだけどさ。
わかられてる感じがしてなんか腹立つ!
そう思いながらも、プリントを仕分ける。
仕分けられたプリントを中田に手渡していく。
それを、別紙に淡々と写していく。
スラスラと文字が並んで行く。
めちゃくちゃ早く書いてるのに綺麗な文字。
髪が顔にかかって邪魔だったのか、
耳にかけていた。
授業の時にだけかける、メガネが
なんだか、色っぽかった。
ポーッと中田を見つめていると不意に目があった。
ニコッと微笑まれる。
顔が熱くなって俯いた。
……なんだコレ、カップルのやりとりみたいじゃん。
「見惚れちゃった?」
「ううう、うっさい、ばーかっ!」
くすくすと笑われている。
すでに写し終わっていたのか、
俺の作業を待っている。
俺が仕分けているところをただじっと見つめていた。
優しい顔で。
見られていると思うとなかなかうまく進まない。
カチコチになりながら、なんとかまとめ終えると、
ありがとう、と受け取った。
コレ、俺がいる意味あんのかな。
もうしばらくすると全て終わった。
まだ、チャイムが鳴っていないから、
授業は、始まっていない。
立ち上がる中田を見て俺も立ち上がった。
「よかったな、授業に間に合って。」
「え?何言ってんの?まだ、終わってないよ?」
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