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もっともっと俺を虐めて
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ポンポンと頭を撫でられて離れる。
そして、触れるだけのキスをした。
俺が上を向いて、中田がかがむ。
なんか、幸せ。
「じゃ、行こうか。先に恋雪君から行ってもいいよ。」
「わかった。お前も早く来いよ。」
ツン、と中田に背を向けて、部屋を出る。
生徒会室から出て行くときは、
必ずどちらかが先に出る。
一緒には帰らない。
みんなに見られると怪しまれるから。
…やっぱり迷惑?
俺と一緒にいるの見られるのそんなに
嫌?
そう思ったら、この長い廊下を一人で歩くのがとても憂鬱になった。
そして、俺が席に着いた後、
数人の女子と一緒に中田が入ってきた。
別に、付き合ってるわけでも好き同士でもない関係だから、いいんだけどさ!
中田も女子にいい顔しすぎだと思う。
だから、そんなにモテるんだ。
女子達も、ベタベタして。
何故かモヤモヤと心の中が黒くなった。
チラッと、中田と目があった。
ニヤッと口が上がる。
絶対、嫉妬してるのわかってるんだ。
すっと女子の声が一瞬止まった。
中田が、女の子の髪を撫でたんだ。
撫でられた女の子はカチコチに固まって、
顔を赤くした。
すると他の女の子たちが
「きゃー!中田くん、私のも触ってー!」
「羨ましいっ!ずるいー、」
なんて、声を荒げていた。
中田は少し困ったそぶりを見せて、
へらっと笑った。
ズキズキ胸が痛い…。
……あんなの、俺だってされたことあるし。
それよりも、キスだってしたし。
中田も、俺がペットなんだから、
他の女子のことさわんなよ。
俺だけ、苛めろよ。
見てるのが辛くなって、プイッと顔を背けた。
中田は遊べれば誰だっていいんだ。
俺じゃなくたって。
俺は、人生初かもしれない嫉妬心でいっぱいだった。
俺は、中田と喋るだけで胸がいっぱいなのに。
もっと触って欲しいって思うのに。
もっと、俺を虐めて欲しいのに。
ペットは俺だけでいいじゃん。
イライラとカチカチとシャーペンの芯が
伸びる。
そのたびに、芯が折れていって俺の心を表している様だった。
好きだって、欲しいって思うほどに
傷つく。
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