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もっともっと俺を虐めて
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「ーーでさ、浩太が振られたからって
プールに飛び込んで怒られてんの」
「浩太?ってだれだっけ。」
「あー、橘だよ。いつも俺と居る奴。
あの、前髪上げてるテンション高いの。」
確かにいるかもしれない。
そう言えば、いつもふざけてるのがいたな。
仲、いいのかな。
めちゃめちゃ、笑顔で話す中田に少しやきもち。
一緒に帰っているときに不意に名前が出た。
俺は、あんまり…ていうか全く関わりは
ないんだけど、中田の友達なようで、
よく見かけた。
中田の横に立っているからか、霞んで見えるけど、実際イケメンで気さくな性格からか、
女子からはよく告白されている。
「面白いから一回話してみたら?
俺紹介するよ?」
「う、ん。また今度、ね。」
少し詰まりながら答えた。
人と話すのが苦手で、接するのが少し怖い。
ああいう派手なタイプは、あまり気が合わないかもしれない。
つまらないとか思われたら嫌だしな。
その気まずさを、変えるように中田は俺に話しかけてくれる。
やっぱり中田の横は安心するなぁ。
手を繋ぎたいけど今は我慢。
そうして、話が途切れることもなく、
歩いていくと、駅が見えた。
あんなことがあってから、あんまり使っていなかった。
だから、朝はもっと早くに出て歩かなければならなかった。
だけど、今日は中田がいるし俺が電車通なの知ってるし、避けたら変に思われるよな。
しかも、中田も同じ電車だし。
…仕方ない。今日は我慢しよう。
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