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#145
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「…図星か。」
明良がニヤニヤしながら、わざと下から覗き込むようにして俺を見上げてくる。
なんだかそれが腹立たしくて、思わず顔を明後日の方向に背けた。
「別に。」
「わかりやすいなぁタケは。部室で俺がタケにいろいろなことしたのを思い出して身体疼いてんじゃないの?」
「なっ…!疼くとかそんなんじゃねえし!よくそんな恥ずかしいこと言えるな!」
「別に俺がタケを好きって気持ちは恥ずかしいことじゃないもーん。……なんなら、今だってタケに色々としたいって思ってるし。」
その言葉で、あの日のように胸の中で大きくサイレンが鳴った。
これは注意報だろうか…。
…それとも……。
「お、お前…、冗談でもそういうこと言うのやめろよ…。ここ、優んちだろうが…。」
頬杖を付きながら少しずつじりじりと俺に近寄ってくる明良。それが何だか恐ろしくて、本当に何かされるのではないかと思い、顔を背けたまま詰められた距離を少しづつ空けようと後退った。
……やばい、なんか、あの日と似てる…。
「冗談言ってるつもりなんてない。それに、優んちじゃなくて俺の部屋だったら、何してもいいの?じゃあこれから俺んち来る?」
…やばい、やばい…っ!
このままじゃ、またあの時とおんなじことになる……!
俺はその気になっている明良の気を逸らそうと、違う話題を持ちかけようとしたが、見事にスルーされ、「話を逸らそうとしても無駄だよ」の一言で呆気なく話が戻されてしまった。
「…………なぁ。もっかい言うからちゃんと答え聴かせて。」
「…え……。」
「…俺は、タケが好きだ……。」
ドクっ
いつになく真剣な表情の明良。
普段なら明良の言うことに対して幾らでも適当にあしらうことも、笑い飛ばしてやることだって出来るのに、明良のこの表情を見てしまうと、いつもどうしてもそんな簡単なことが出来なくなってしまう。
そしてそのたびにいつも思う。
その目をして俺を見つめる明良は“怖い”と……。
「………タケは、俺のことどう思ってる?」
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