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#11
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放課後。早々と教室を出ていった優。
俺も清掃が終わると、すぐに実験室に向かった。
ガラッ
実験室に入ると、一人で村井の雑用をしている優がいた。
「あれ、武博?何でここに?」
「優が村井に雑用頼まれてるの見てさ。…手伝うよ。」
「まじかー!さんきゅー!! 」
「おうよ。…で、何を準備すればいいんだ?」
「えっと…、この紙に書いてあるんだけど…。薬品が、粉末マグネシウム、酸化マグネシウム、塩酸。で、器材がサーモカップ、温度計、メスシリンダーとかいろいろ…。」
「てか、多くね!?何この量!」
「あと、実験手順も、前にあるプリントに印刷されてるから黒板に書いとけって。」
「あー…もう…。マジの雑用だな。よくこんなの一人でやろうと思ったな。」
「だって、誰も手伝ってくれなかったんだからしょーがないだろ。……だから、手伝ってくれて、ありがとな。」
優が優しく微笑んだ。その笑みにつられ、俺も笑顔で返した。
「いいってことよ。…だって……。」
"恋人だもんな。"
そう、俺の頭に浮かんだ。でも、何だか恥ずかしくなって、声には出さなかった。
俺も、早くこの雑用を終わらせる為に、いそいで準備にとりかかった。
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しばらくして、準備のほとんどが終わり、あとは黒板に実験手順を書くだけになった。
「よし、こんなもんだろ。」
「だな。ホントありがとな、ちょー助かった。」
「それは終わってから言ってほしいな~。」
「あ、そうか…。じゃあ今のはナシな!さ、早くこれ書いちゃおうぜ!」
「おぉ。」
俺は白チョークを握り、優の持っているプリントに印刷されている実験手順を見た。
やたら長々と書いてあり、クラス全員が見るのだから、それなりに綺麗に書かなくてはならない。
「うっへぇ~。多いな、コレ…。」
「だよな。…半分ずつ書こうぜ。俺は①から④まで書くから、武博は⑤と結果表を頼む。」
「りょーかい。」
静かな実験室に、俺たちの書くカツカツというチョークの音が響く。
俺だけなのかもしれないが、今朝話した昨日の優とのことがあって、静かな環境で優と二人っきりっていうのが、少し息苦しかった。
…優は、もうあまり気にしていないみたいだが…。
そう思いながら優を見ると、 優は黒板の上の方まで腕を伸ばしているせいか、ワイシャツの裾がズボンから出てしまい、腹が丸見えの状態になってしまっていた。
俺は優に比べて、書く量が少なかった。そのため、俺は優よりもかなり早く書き終わった。
それをいいことに、俺は一生懸命黒板に字を書いている優に、後ろから抱きついた。
「え!?お、おい、何すんだよ、武博…!」
思った通りの反応。 思った通りの反応だからこそ、俺は驚いた優を自分のペースに持っていき易かった。
……昨日のこと。
…キスのことも全部忘れたんなら、もう1回してやる…。
俺は、ズボンから裾の出てしまったワイシャツの中に手を入れた。
「ふぇっ!?ちょ…っ、武博、離れろって…!ここ学校だぞ!誰かに見られたら…!」
「……それって、学校じゃなくて誰もいないところだったら、やってもいいってこと?」
「ちっげぇーよ!バカ…! 」
怒り口調の言葉を無視し、俺は目の前の優を堪能したかった。
部活で鍛えて出来上がっている筋肉。腹筋なら、もうすぐ割れるんじゃないか?
腰…、細いよな…。
いい感じに日焼けもしてるし。
女子が優を好きになるのも、大いに納得だ。
腰からだんだんと上の方へと、優の体を撫で上げた。
それだけで、優の体がビクッとしたのがわかって嬉しかった。
俺は、目の前にある、優の綺麗なうなじに口づけをした。
「お、おい!!…やりすぎだろ!武博…!」
「そんなことねぇよ。…昨日やったこと忘れたんだろ?…だから、もう1回しようぜ。」
そして、そのうなじをペロリと舐めた。再び優がビクッと大きく体をびくつかせた。
「…っ!……いい加減にしろって!!!」
優が無理矢理こちらを振り向き、俺の腕を掴んだ。
だが優はいきなりのことで体制を崩してしまったらしい。手を捕まれたままの俺は、優が教壇に倒れるのと一緒に、優の上に覆い被さる形に倒れた。
咄嗟のことで瞑った目を開くと、俺の目の前の床に優が倒れている。俺はその床に手をついて優に覆い被さっている。
まるで、俺が優を押し倒したかのように…。
………っ!!///
俺が変な妄想をしたのも束の間。
「……あ。」
ボスッ
優が場に合わない声を出したと思ったら、俺の頭の上に何かが落ちてきた。
その瞬間、俺の目の前は真っ白い粉に包まれた。息を吸うと、その粉が口に入り、むせてしまう。
そう。黒板消しが俺か優が倒れるときにぶつかり、その振動で俺の頭の上に落ちてきたのだ。
床に落ちた黒板消しを見ると、白、赤、黄、緑といった様々な色のチョークの粉が大量についていた。
最悪…、と思ったと同時に、自分が優に無理矢理迫っていたことに気づいた。
やっと、我に返ったのだ。
俺はすぐに優の上から退いた。
「わ、悪い…!…俺、俺あの、そのっ。」
優がゆっくりと起き上がった。
「 ……俺、何か変だった…。ほ、ほんと…、……ごめん。」
「…いや、いいよ…。…それより、お前その頭。」
「え?…あ"!!」
「ははは!髪真っ白じゃんかよ!早く洗ってこいよ!」
「あ、あぁ…!」
俺は走って実験室を出て水道に向かった。
…まるで、俺から優を避けるように…。
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