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#95
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一通り俺たちの中学のときのアルバムを見終わり、最後には中学の卒業アルバムまで見られてしまった。
俺は半強制的に、アルバムを仕舞わせた。
それでも、優は俺たちの恥ずかしい中学時代の写真が存分に見られて満足しているようだった。
「あー…、面白かった!」
「…俺たちは辛いだけだったよぉ…。…めちゃくちゃ優の笑いモンじゃん…。」
明良もぐったりとベッドの上で伸びていた。
すると―…。
「ん?あれ?1番肝心な今年の写真見てないじゃん!!」
「「あ…ッ!」」
明良が声を上げて、俺も優も思い出した。
「そうだよ、こんな恥ずかしい写真を見せるために来たんじゃねぇよ!今年のやつだよ!」
俺は明良に今年の写真が貼られたアルバムを持ってくるように促した。
だが、明良は申し訳なさそうに手を合わせて謝罪の形を取った。
「悪い!まだ作ってないや…!多分、カメラに写真が保存されたままで印刷もされてないと思う…。」
「うっそ、明良ぁ~…。冗談は顔だけにしてくれってぇ~…。」
優が悲しそうな顔をしながら明良にしがみついた。
「悪い悪い…。…写真は印刷されてないけど、ケータイの中なら、少しは入ってるよ。」
そう明良が言って、俺も思い出した。
今年にあった学校行事のときの写真なら何枚か持っている。
体育祭や球技大会、文化祭の後はクラス全員で写真を撮ったし、俺のケータイには文化祭の日に一緒に校内を回ったときの写真だってあるはずだ。
「本当に?」
「おうよ。ちょい待ち。……あった。これが今年の体育祭の写真。体育祭終わった後の教室で撮ったやつ。」
「…今年俺らのクラスは、3軍あるうちの黄軍だったんだよ。だからほら、黄色の軍Tシャツ着てるだろ?」
「あ、ほんとだ。すげー、みんなお揃いなのな。…てか…、はははっ、俺たち3人隣かよ(笑)仲良しだなぁー。」
「何だよ悪いかよー。」
「言ったろ?…俺たち3人はいつも一緒にいたって。」
「あ、そっか。…ふ、なんかいいな、こういうの!」
優が嬉しそうに微笑んだ。
そんなふうに笑う優をもっとずっと見ていたくて、俺はケータイを更にスクロールさせて、他の行事のときの写真も見せた。
「…これが、球技大会のときな。あ、このときの2人がフットサルやってるときの写真なら、俺いっぱい持ってるかも!」
俺は球技大会のときの競技はフットサルではなかったため、コート脇からクラスの奴らを応援しながら、必死にボールを追いかけている優と明良の写真を撮っていたのだ。
俺はケータイを取り出し、フットサルをやっている優と明良の写真を見てた。
「うっわ、恥っず!!おま…、何撮ってんだよ!」
「いつか2人に見せてやろうと思って撮ったけど、結局見せるの忘れてたんだよ。いやー、懐かしいねぇ。」
「…畜生~…。…タケ、それ以外の写真ないのか?」
「んー…、後は…。……あ、これ!」
俺は半分身を乗り出しながら2人に画面を押し付けるようにして見せた。
「文化祭の後の、俺らのグループだけで集まって打ち上げしたときの写真だよ!」
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