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#111
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「………ちゅっ……、タケ、…こっち見てよ……。」
「え!?な、もうや…!」
明良が再び俺の体に唇を落としてくる。
これ以上は嫌で、逃げられないとわかっていても、手足をバタつかせて抵抗しようとする。
「……何で…?……タケ、あんなに良さそうな顔してたくせにさ。…タケは自分の顔見えないからわかんなかったと思うけど、すんごいイイって顔してたよ?」
「し、してないッ!勝手に言うな…!」
「してたよ。……別にいいじゃん…、俺とヤったってさ。
……………どうせ、光ともヤってたんでしょ…?」
………え……?
明良、何が言いたいの?
そう俺が明良に問う前に、俺の口はそんなことを言う余裕もなくなってしまった。
明良は俺の体に飛んだ俺の液を舐め取り出す。
飛んでもない、何もないところまでを丹念に舐め出し、俺の体はゾクゾクと何かが這い上がるような感覚に陥る。
「…マジで…、やだって…!」
「………俺もやだ。……やめない……。」
「…こんなの、変だって!…明良、おかしいよ!」
「………おかしくないよ…。」
明良の動きが止まった。
見ると、さっきの不気味な笑顔を浮かべた奴とは思えないくらい、辛そうな顔をした明良が俺を見つめていた。
「……んだよ、…おかしいのはタケの方だろ…ッ!?」
明良の顔と荒げた言葉に、息を呑んだ。
「……何でタケはこんなになってまで、優たちのことを大切だなんて言えるんだよ!おかしいだろ!?」
「…あ、明良………。」
「…優と光が傷付いてんのは知ってるよ…、バカな俺にだってわかる!
……でも…、みんなその2人のことばっかり見て、誰がタケのことを見るんだよ…!
…誰が、傷付いたタケのことを助けてあげられるんだよ…ッ!」
……何で……。
…………何で、明良が泣くんだよ……。
「……どうしてお前は、そこまでして優たちのことを守ろうと思うんだよ……。
……どうしてあいつらなんだよ、何で……、俺じゃ、……ダメなんだよ…!
……俺なら、ずっとタケの隣にいるよ!
人格が2つあることも、人格のせいでタケと気持ちがすれ違うことも、聞いた人が泣くような過去も、記憶なくしてタケを泣かすこともない…ッ!
…………優たちみたいに、急にいなくなったりしないッッ!」
明良の必死の叫びが、俺の胸を締め付けた。
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