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#114
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「…俺…、……本当はずっと前から、タケのこと気になってたんだ。
完璧にそういう気持ちだって気付いたのは、高校に入ってからなんだけどさ。…でも今思えば、そういう気持ちは中学からだったのかもしれない。
中学で初めてタケに会ったときのこと、よく覚えてる。…明るくて元気があって頭も良くて、…でもちょっと不器用ですぐ傷付いてメンタルが弱めだなって思った。
…それで、俺がタケの隣にいたいって思ったんだ。
…ずっと隣で見て、何かあったら守ってやりたいって思ったんだ……。
それでずっと中学を過ごしてきて、クラスもずっと一緒で…。
…すんごい、嬉しかった…。
でも、高校に来て、マジでライバルだと思ったんだ……、…優のこと。
…だってタケがめっちゃ、優のこと好きだーっていう雰囲気してたから。
俺の方が優よりずっとタケと一緒にいて支えてきてたのに何でって。
…俺の方が、ずっとタケに好かれるのを待ってたのにって…。
それなのに、タケがいつの間にか優に告って、あいつもちゃっかり受け入れやがって、俺の立場ねぇじゃねぇかよって思った。
優とは、部活のときに部活メンでよく話してたけど、優に好きな人がいるなんてことは聞いたことないし、いろいろ聞いても何も言ってくれなかった。
だから、何なんだよって…。
今更タケに俺の気持ちなんて言っても期待に応えてくれるわけないと思って。
…だから、俺の気持ちは全部なかったんだって…、気付かなかったことにしようとした…。
……でもやっぱり…!思った通り!そんなことなんて出来やしないんだ…!!
好きだった気持ちなんて止められない…、忘れられない…。
だって、俺たちは毎日会ってる。
朝教室に行けば、タケに会える。
すぐに声を掛けられる距離にいる。
親友だとも思える!
…タケも、俺のこと大事な友達だって思ってくれてるのは、最初っから全部伝わってた、わかってた、感じられてた!
……でもッ、それなのに!…タケが俺のことを、俺と同じ気持ちで見てくれてたなんて、これっぽっちも感じられなかったッッ!!
…………報われないってわかってた。
…男同士だし、そんなのおかしいってわかってた…。
…でももしかしたら、この俺の気持ちをわかってくれるのもタケしかいないんじゃないか、とも思った。
今まで周りには言えないくらいの相談事を話して共感してきてくれたタケなら、お前を好きだっていう本気の俺の気持ちも、誰よりもわかってくれるかもしんねぇって思った。
そうしたら、急に優が二重人格だって聞いて、光なんていうまた俺のライバルが出てきて…、それからはタケもあいつらもドタバタしていろいろ空回りも多かったみたいで…。
そうしているうちに、もしかしたら俺にもチャンスがあるがしれないって……。
タケを…、俺のものに出来るかもしんねぇって…!
でも、そんなのありえないって思って、自分に言い聞かせて、ずっとずっと我慢しようと思ってた…ッ!
……でも…。
…………タケは優たちに泣かされてばっかりだった。
そう思ったら、もう止められなかった。
お前らが空回ってる今なら、優たちからタケのことを奪えるって思った。
…タケには悪いけど、このまま別れちまえばいいとも思った。
……だってそうだろ?
…タケ、あいつらに何回泣かされた?何回悩まされた?
……俺、タケが優たちといて笑ってた顔もいっぱい見てきたけど、泣いて苦しんでる顔のほうが多く見てきたと思うよ?
………そんなの、辛いだけじゃん。
タケはそれでいいの?
泣いてばっかり。優たちに振り回されてばっかり。悩んで、苦しんで、悲しんで…!
……………そんな恋、俺なら絶対嫌だよ……。
……だから今日、もう我慢出来なかったんだ。
…俺の足元に泣き崩れて、涙なんだか鼻水なんだかわかんねぇ泣き顔して苦しんで悩まされてるところ見せられたら、俺はどうすりゃいいんだよ…!
……バカな俺にはわかんねぇよ……。
…………お前を優たちから奪う以外、何も思い付かなかったよ…。
…お前を優たちから取ったところで、俺にしか得にならないってわかってたよ…。
……でも、そうすることでなきゃ!タケのことを助けてやれないって思ったんだ…ッッ!
……………ごめんな、タケ…。
…こんな、自分の幸せしか願えない俺で……。 」
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