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蒼の章2
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《先日猫に対する虐待事件についてお伝えしましたが、またも????町で動物虐待事件が発生しました。付近の住民は悲しみと不安の声をあげています》
...動物虐待事件。
俺はモニター越しのアナウンサーの瞳の中に、残忍な事件に対する嫌悪感を見て取りながら、犯人の事を考えた。
以前の報道では、具体的にどのような犯行が行われていたのか詳しく言わなかった。…たが俺は知っている。
母親が、眉をひそめて始めた話はこうだ。
坂崎とかいう婆さんが病院で死んだあと、2年程借り手が付かず空き家になっていた昭和の古い木造住宅があったのだが、そこの庭で、首だけ出した形で生き埋めにされた野良猫が見つかったのだ。
すでにそうなってから2日ほどたっていたらしい猫はしゃがれた声で弱々しく泣いており、たまたま通りを歩いていた猫好きの主婦によって発見されたのだ。
発見時、猫の生首が地面から生えているように見え、主婦は奇妙な光景に衝撃を受けたという。
とにもかくにも、急いで弱った猫を救出すると餌と水を与え保護し、すぐに警察に通報した。救出時、猫の頭の横に漬物石くらいの大きさの石が置いてあった。ふと、庭を見渡すと他にも同じくらいの大きさの石が5つ、一定間隔で輪を描くように配置されてあり、それは丁度埋まっていた猫を救出したあとの穴の位置を含めると綺麗に円を描く。
そして、…少し臭う気がした。
腐臭だ。
臭いの元を探すと、石の下から黒い染みと乾いた肉片のようなものが見えた。
主婦はぞっとするような予感を覚えた。
それらの石をひっくり返し、その下に何があるか確認する勇気は出なかった。
だが、結局その予感は的中する。
彼女の代わりに警察が石の下を確認すると、運のよかった猫同様、首だけだして埋められ、頭を潰された五体の猫が発見されたのだ。
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