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蒼の章11
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《残念なニュースです。oo町で昨夜未明土木業を営む男性から警察に通報があり、資材置場として使っている場所から6匹の犬の死骸が発見されました。警察では同一犯の犯行と見て犯人の行方を追っています。兎、猫、犬と続いて動物を虐待する犯人。周辺住民は眠れない日々を過ごしています。現場から中継が繋がっています。山川さん?》
彼女がリポーターに呼びかけると画面が変わり少し離れ目の男、山川リポーターが現れる。
もう、見るしか無かった。
どうせこの事は話題になって耳に入るしニュースもいずれ目に入る。
《はい、山川です。発見者の男性に話を聞いてみたいと思います。こちらは発見者の鹿島さんです。本日はよろしくお願いいたします。早速ですが、どういった経緯で発見に至ったんでしょうか?》
カメラ慣れしない男性が少し緊張気味に話し出す。
小太りの50代の経営者の男だ。
《あそこは何箇所かある資材置き場の一つで、あんまり使わんもんを置いとく所です。更地を塀で囲っただけの場所で、工事現場で使うものを一時保管する場所で…プレハブが一つあるけど、細かいもんをしまってあるだけで常駐する人間はいません。昨日遅くに仕事が終わり、うちの若いもんと資材を置きに来たら真ん中の目立つ所に石が積んであるなと思って、退かそうとトラック降りたら犬の潰れた頭が6つ…》
思いの外ダイレクトに表現されてリポーターが少し慌てる。
《なるほど、犬の死骸を発見されたのですね?その時はどんなお気持ちでしたか?》
《そりゃあ可哀想というより気味が悪かったよ。積み重なった石と思ったけど、石は上の一つだけで下は頭だったんだからさ。夜だし、光源は車のライトだけで。すぐに誰か潜んでないか敷地内を見て回ったけど誰も居なかったよ。そもそもあの場所は町の外れだし、人家も離れているから》
俺の目はテレビに釘付けだった。
テレビを見ながら知らないうちに鼓動が高鳴り、ばくばくと煩く打ちならしていた。
だから、背後から新しい客が入って来たのにも気付かなかった。
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