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玄の章11
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「ニュース…この事件を俺にどうしろと?まさか、犯人を捕まえろって?」
語りかけたが、勿論返事はない。
目を閉じ集中するが、この空間に嫌な気は感じない。
だとすると善なる存在のメッセージか。
それとも、気配を完全に消し去る程、あまりに大きな闇の存在か。
家族なのではないかという微かな期待が消し去れず、この霊的発現を無理だの一言で片付けることは出来なかった。
知らない誰かの無意識のSOSかもしれない。
例えば、動物。
例えば、その飼い主。
それでも、家族のコンタクトである可能性がある以上、出来るところまでは踏み込んでみようと徐々に決心がつく。
ここにこれ以上いたところで、何も起きはしない。
雨宮は空気の入れ替えを済まし施錠を確認すると家を後にした。家を出る前に、気になって最後にテレビを調べたのだが、火災を防ぐ為全ての家電からコンセントが抜いてあったのを思い出す。そう、テレビがつく訳がなかった。
まずは何をすればいい?
見える以外に、自身の力の使いようが分からなかったが、取り敢えず手掛かりを探しながら歩き始めた。
太陽は傾き始め、あたり一面に柔らかいオレンジ色の光を投げかけた。景色を見ながら、犯人の事を考えた。
動物を殺しているようだが、その目的は分からない。
そう言えば兎に犬と言ってなかったろうか。
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