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灰赤の章2
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いらっしゃい、待っていたわ。
彼女はそう切り出してどっしりとしたアンティークの黒の革張りの椅子に座り脚を組んだ。
ここは彼女の帝国だ。
俺は彼女の指示するままに、彼女の真向かいの白いベット状のソファーに座った。患者がリラックスでき、楽な姿勢で施術を受けられるように選んだと両親に説明した。
隙の無い女だ。
美しく優雅で肉感的、炎のような強い目に恐ろしく切れる頭をもっている。
優雅に巻いた髪が彼女の肩あたりで美しく波打つが、俺にはとぐろを巻く毒蛇にしか見えない。
両親がこの街までわざわざ越してきたのは俺をこのカウンセラーに見せる為だ。毎週水曜日に俺はここに連れてこられる。3時間程ここで過ごせば母が迎えに来る。
今まで何を見ても、何を読んでも、誰と話しても空気を見るように何も心に響かなかったが、このカウンセラーだけは違った。
俺の微かな自我が、この女を拒否する。
診察室は壁一面に青白いクッション材が貼られ、防音構造にもなっている。この壁の一番の目的は、突然興奮状態になった患者が、壁に体を打ち付けて怪我するのを防ぐ事だ。
森の中の一軒家で、昔誰かが所有していた洋館の、東に位置する塔のような円柱状のサンルームのような場所。そこを改造してこの部屋は作られた。窓は人の背より高い上の方にあり、そこからスポットライト状の光が幾つか差し込むだけ。仄暗い空間だ。女王の背後には大きな壺があり、仏像の光背のように花が生けてある。
頭が支配される感覚を、経験した事のない他の人間に説明するのは難しい。彼女は二人だけの空間になると、鍵を閉めた。あなたの感情を呼び起こさなければ。カウンセラーはお決まりの台詞を深く響く声で言った。
そして《眠って》と耳元で囁く。
眠ってと言われると、途端に体が重くなる。
俺が動かなくなると、カウンセラーはズボンに手を掛ける。欲望が自我を目覚めさせると彼女は言う。
シャツのボタンも全て外されて、露わになった胸元にキスされ、下半身に彼女の手が這う。年相応に反応した中心を美味しそうに舌でねぶり愛撫した後は、彼女のスカートの中、穴の空いた黒いレースの下着の奥のもう一つの口に食べられる。
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