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苦色の章3
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俺と蟻だけの世界。
ジージージージージージージージージー
其処に、虹の眼の男が迷い込んでいる。
蟻に追われて真っ直ぐに此方に逃げてくる。
蟻は彼も飲み込もうとしている。
飲み込まれたら、どうなるんだろう。
肉を食べられて、白い骨になるのだろうか。
ジージージージージージージージージー
岩陰から彼を見る。
彼も占領者かもしれない。
切迫した様子の彼が崖に辿り着き登ろうとしている。
背後には蟻。
もうじき彼を飲み込む。
俺は虹の眼の男の手を掴み引き上げた。
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