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茜色の章6
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3日ぶりに雨宮と会えると思うと嬉しくて仕方がなかった。
俺は雨宮が大好きだ。
朝は早くから勝手に目が覚めて、このところ調子が悪くてたまっていた通信教育のレポートを一気に書き上げた。
母さんが高卒っていう学歴がつくのを嫌がり、俺の可能性を信じてなるべく他の子と同じようにと九州の大学の通信学部に俺を入れた。
朝ご飯を食べている時、母さんは心配そうだった。
雨宮が来ないのではと思っていて、そのせいで俺が傷つくと考えているから。
俺は雨宮が絶対来ると分かっていたし信じていたから、母さんを安心させるように肩を揉んでやった。
ありがとう、気持ち良いよと涙ぐむので大袈裟だよと笑うと母さんも笑った。
母さんに頼んで初めて自分で使う為のお金を貰った。
コンビニでファッション雑誌を買い、じっくり見た。そして理髪店へ行き本を見せて気に入った髪型に変えた。
仕上がりが気に入って気分良く店を出ると今度は服を買うために何店か梯子した。
雨宮は綺麗でカッコイイ。
雨宮が大好きだ。
隣を歩かれるのが恥ずかしいとか思われるのは絶対嫌だ。雨宮に友達になって貰いたいし、一緒に遊びに行きたい。
雑誌で好きだと感じた服と似たようなデザインを捜してまわる。やがて、お気に入りが見つかって購入したあとタグを切って貰って店で着替えて帰った。
母さんは俺の変身ぶりに驚いてくれた。
きっと、雨宮も驚いてくれる筈だ。
約束の前の日はドキドキして中々眠れなかった。
俺は変われてるんだろうか?
変だっていわれたらきっと凄く悲しいけど、そうなったら雨宮に似合う服を選んで貰うのもいい。
スマホはまだあまり使えないけど、写真の撮り方とアラームの使い方を覚えた。
雨宮とあったら写真を一緒に撮ってもらう。
そうしたらいつでも好きな時に雨宮を見ていられるし。
蟻は来なかった。
ちらりと怪しい雰囲気は感じたけど、雨宮の事を考えていると薄れていった。
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