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茜色の章7
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財布とスマホしか入っていない鞄を持って会いに行く。
家を出て歩く道すがら近所の人に会ってこんにちはと声をかけると、えっ?と驚いている顔が見れて面白い。
イメチェンが成功していると前向きに信じて歩き続ける。
俺の方が早いと思っていたけど河原にいくと先に雨宮がいた。
母さん、ほらね。来てくれてたでしょう?帰ったらちゃんと報告して安心させよう。
きっと、よかったねと言ってくれるはずだ。
俺は雨宮は来てくれるって信じてたから驚かなかったけど、それでも凄くうれしい。
走って雨宮の所に行く。
雨宮が俺をじっと見ている。
あんまり感情表現が強く出てこない雨宮だけど、これは絶対にに驚いている顔だ。
三日間ずっと雨宮に会ったら言おうと思ってた事を口にした。
俺が俺でいられる時間は少ないかもしれない。
だから、やりたい事や話したいことは今のうちに言っておかなきゃダメなんだ。
雨宮に友達になって欲しいと言うと、は?って聞き返されたけど結局友達になってくれた。
雨宮が困ったように微笑むのを見て俺は心が何だかギュッとなった。この顔も好きだ。あんまりうまく言えないけど、とにかく嬉しいのと感動と切ないのと、沢山の好きがあり過ぎてぞうきんを絞ったみたいに心がよじれた。
雨宮、
雨宮、
雨宮!
もっと雨宮を知りたい。
また見たいな、綺麗な虹の眼。
金色に輝く光。
それから、笑った顔、怒った顔、泣いた顔、何でもいい。
俺の頭は雨宮に満たされていく。
知らない気持ち悪い何かに占領されてきた今までとは違う。
自分で雨宮の事を考えて自分で望んで満たされて行く。
大好きな友達。
大好きな雨宮。
俺は今凄く幸せ。
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