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暑い日のTシャツ
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「本当、クソ暑いな」
制服のボタンをだらしなく開け、パタパタとTシャツの襟元を仰ぐ。
チラチラと見える絆創膏に嫌気が刺しながらも、仕方ないと見て見ぬ振り。
「暑いならTシャツ脱ぎなよー」
唐突に後ろから声をかけられ、俺はみっともなくビクリと跳ねた。
「な、んだよ。びっくりさせんな」
慌ててTシャツから手を離し、万が一にも胸が見えてしまわない様に、肌に押さえつけた。
そんな俺の様子をみて、男はケラケラと笑う。
「あはっ。何、ビビりすぎうける」
「うるせーよ」
金色の髪を適度に遊ばせながら、前髪を横に流しピンで留めている男の名は、綾瀬 貴人(アヤセタカト)。
太陽に反射する金髪には所々ピンクが混ざっているのが分かる。
見た目からしてチャラそうな貴人は見た目を裏切らず、中身も十分チャラかった。
そのくせ勉強も運動も出来るという気持ちの悪いやつだ。
「で、Tシャツ脱がねーの?」
「脱がねーよ」
「幸治ちゃんいっつも着てるよね。なんで」
「..俺の勝手だろ」
乳首の上に貼った絆創膏が透けてしまわないように、なんて死んでも言えない。
言えるわけがない。
「暑いなら脱げばいいのに」
「毎年我慢してんだからもう慣れたよ」
「我慢すんなよー、うける」
ストイックアピールですか?と訳わからんことを言いながらケラケラと笑う貴人。
相変わらずコイツのテンションは面倒臭い。
貴人とは高校で知り合い同じクラスになり、何となく仲良くなったが、いつも女を侍らせている辺りがたまに見ててムカつく。
こちとらヤりたくても変な乳首のせいで出来ねぇのによ。
なんて理不尽な怒りを密かにぶつけていることも大目に見て欲しい。
「あ、そう言えばミカちゃんに誘われてるんだったわ」
「また聞いたことねぇ女の名前」
「Fカップの可愛こちゃんなりー。じゃあ、俺行くわ」
そう言って、颯爽と廊下を駆けて行った貴人。
ほら、ムカつくだろ?
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