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危機的状況
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とりあえず、一度深呼吸してから状況を整理する。
一言で言ってしまえば、俺は今東雲に告白されてるってことだよな。
相手は男で、俺も男で。
そりゃ、東雲はそこらの女よりずっと綺麗だし、物件的には最良すぎる。
しかし男だ。
...ぶっちゃけてしまえば、友人にそんな感情を向けられても困ってしまうのだ。
そんな俺が出せる答えなんて決まっている。
「わ、わりぃな」
なるべく東雲を傷つけないように、なるべくこの後気まずくならないように..。
慎重に言葉を選んでいく。
「俺は多分お前のことそういう目では見れねぇわ」
「....」
「お前のことは好きだけど、ダチとして付き合っていけたらいいと思ってる」
「......」
何も返してこない東雲。
つぅ、と冷や汗が額を伝う。
一刻もはやくこの場から逃げ出したかった。
..しかし、東雲はそんなに甘い男ではないらしい。
「多分?」
「ぇ」
「多分ってことは、可能性はゼロじゃないんだよね」
「は?そ、それは言葉の綾だろ」
「友情なんていつ恋情に変わるか分からない」
「....は?」
「俺のこと好きなら、キスだって出来るよ」
「で、出来るわけねぇだろ!」
何を言ってるんだと、非難してみても東雲は全く聞いちゃいなかった。
薄っすらと浮ぶ笑みに心底恐怖を感じた俺は、身を引こうとして逆に引っ張られる。
..そういえば、ずっと手首掴まれてたわ。
「まず身体からっていうの、あんまり好きじゃないんだけど」
つつつ..と、俺の頬を撫でる指先。
危機感からか嫌悪感からか、全身が一瞬で粟立つ。
これからコイツが俺に何をしようとしているのか。
まったく予想が出来なくて、それが逆に怖かった。
「ま、待て待て待て!落ち着けこの野郎」
手首は掴まれて使えない。
振りほどきたくても、東雲の力は相当強い。見た目ひょろいくせになんて奴だ。
ならば..と、足を振り上げる。
「...っ!?ひぁ..っ」
しかし、一瞬で膝裏を掴まれ、バランスを崩した俺は、見っともない声をあげながら地面に倒れた。
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