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軽率な行動
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今まで、のらりくらりと躱してきた東雲の言葉が逃げ場もなく突き刺さる。
冗談なんて思ってたわけじゃないけど、やっぱり本気なんだと思ったら、彼の気持ちを無碍には出来ないと思った。
そう思えるくらいには、俺は友人としてこいつの事が好きなんだろう。
「..それは、友だちとしてってことか」
「俺は恋人としていて欲しいよ」
「だから、俺はお前のこと..」
「...。好きにさせてみせるから...、今は友達以上恋人未満で我慢するよ」
「.....」
「どんな形でもいいから、園原のそばに居たい」
そこは引く気がないのか、強い意思を持った瞳で見つめられる。
決して圧倒された訳ではない。
圧倒された訳ではないが..、何時までやっていても変わらないと思った俺は、落ち着かせる様に一つため息を零した。
「...わかったよ、恋人未満な」
「っ、本当にいいの?」
「何だよ。てか、お前俺に言ったよな?友人にはなれないとか、ナントカ」
「あ、金曜日?」
「そうだよ!なのに何だよ友達以上って!友達未満だろうがよ」
俺は土日中、ずっとそれに悩んで、悩み続けた結果に俺が妥協してやろうとしてたのに、このザマだ。
だんだんとムカついてきた俺は、ふざけんなと感情のままぶつける。
「それは、友人にはなれないと思ったから」
「あ?」
「俺は、園原と友人を飛び越えた関係になりたいと思ったから..」
「.....ぁ?」
照れ臭そうにポッと頬を赤らめた東雲。
もしかして、俺はとてつもなく面倒な墓穴を掘ったのだろうか。
「俺は園原が好きだよ」
真っ直ぐな瞳に射抜かれて、一瞬身動きが取れなくなった。
ああ、もう。なんと言うか..。
イケメン滅びろって感じだ。
「俺、絶対お前のこと好きにならねぇわ」
「え、どうして」
「直感」
こんな所に何時までも居たら、どんどん絆されてしまいそうで怖くなった俺は、カバンを持って勢いよく立ち上がる。
それにつられて、東雲も立ち上がった。
「今日からまた一緒に帰ろうね」
ニコッと笑った東雲を無視して、スタスタと校門へ向かう。
この前、もう軽率な行動はしないと誓ったばかりなのに..。
最悪だ、なんて思いながら、俺は東雲の隣を歩く。
「あ、でも園原は俺のこと結構好きだよね」
「あぁ!?どこがだよ」
「今日の昼休みに俺と目が合った瞬間、すごい嬉しそうな顔してくれた」
「.......っ、マジ死ねよお前」
やっぱり、軽率な行動は控えるべきだった。
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