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授業中
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その後すぐに、授業開始の予鈴が鳴り、東雲は自分の教室へ帰っていった。
本日最後の授業は選択科目。
この授業では、教室にいる生徒の数が半分に減る。
そのせいもあり、いつもは少し離れた席にいる貴人が俺の前の席に来ていた。
「..ゆーきじちゃん」
「授業中、喋んな」
「相変わらず似合わないくらい真面目だね」
「お前と違って頭良くねぇからな」
「嘘つき。幸治ちゃん普通に頭いいじゃん」
他の生徒に配慮してか貴人の声は随分小さいが、話しかけてくること自体俺に配慮出来ていないことに気づいてるんだろうか。
先生に怒られてしまえ、と思っても、ここの学校は成績さえよければ、授業中喋ってても基本注意はされない。
あまりにも騒がしいと平常点下げられるけど..。
何時までも会話を切り上げようとしない貴人に俺はため息を零して、さっさと板書を全て写しきった。
「..で、要件は何だよ」
シャーペン片手に、貴人を見る。
「ずっと気になってたんだけどさ、何であんなに王子様と仲良いの?」
「...は?」
授業中に何かと思えば、予想以上に下らない質問が来た。
「いやー、やけに王子様、幸治にべったりだからさぁ」
「....べったり」
「そそ。色々とびっくりだよ」
「てか、それ今更じゃね?一週間も経ってんぞ」
こんな下らない会話、放課後でもいいだろって感じもするが、いかんせん授業中のお喋りというものは何故かいつも止まらない。
むしろいつもより饒舌になる気だってする。
「いや、最初はね王子様の気まぐれかなって」
「..は?」
「だって俺、東雲ってもっとキラキラしてると思ってたからさぁ。幸治みたいな野良犬にご執心なんて思わないじゃん」
「野良犬...ご執心..」
貴人の言い方は何故いつも微妙にカンに触るのか。
しかし、そんな俺の気もしらず貴人は喋り続ける。
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