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時は遡り side綾瀬貴人
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時は遡り。
放課後。
幸治ちゃんと王子様が、俺を置いて教室から出て行った。
ポツンと残された俺の周りには可愛こちゃんがウヨウヨ。
「綾瀬くん。ねぇ、綾瀬くん?」
「貴人ぉー、カラオケ行こうよ」
「杏奈もっとイイところ行きたーい」
「貴人くん、はやく行こうよぉ」
俺の制服やら腕やらを引っ張っては、必死に振り向いて貰おうとにゃんにゃんと引っ付いてくる女の子たち。
あー....っ、可愛すぎる。
こんなおねだりされたら俺もう断れないじゃん?
何処へでも行きたくなっちゃうじゃん?
俺のムスコも臨戦態勢入っちゃうよ。
勿論、幸治ちゃんはこうなる事を分かっていて女の子たちを寄越したのだろう。
なんて野郎だ。
それでも、男二人か女数人、どちらかを選べと言われれば答えは悩まずとも決まっていた。
2人が出て行った後ろ扉をジッと見つめていた俺は、ニコーッと笑みを見せながらくるっと振り向く。
「じゃあ今日はみんなが行きたいところ全部いこー!」
女の子万歳!
まぁ、途中で誰か一人お持ち帰らせて頂きますけど?
俺の宣言にきゃっきゃとはしゃぐ女子たちを連れて、俺もさっさと教室を後にする。
あーあ。今日は幸治ちゃんたちに引っ付いて行って、胸元に閊えた疑問を洗いざらいすっきりさせようと思ったのにー。
可愛こちゃんに囲まれながらも、軽くハーレム状態作りながらも、俺の頭の中はたった一つのことを考え抜いていた。
「貴人ー、とりあえずアタシ服見たい」
「はいはぁい、駅前のところでいいよね?」
「うん!バイト代入ったばっかだから、貴人にも何か買ってあげるー」
「ほんとー?ラッキィ」
ありがとうと、お礼にほっぺにチューしてあげれば他の女の子たちがキャーキャー叫ぶ。
「貴人!アタシにもちゅー!」
「綾瀬うちには?」
ああ、もう、本当みんな可愛すぎだから。
タカトくん、もう今すぐラブホ行きたくなっちゃうから。
みんなにチューしてから、止まった足を再び動かす。
その間も脳内で考えていたことは一つ。
マイハニーこと幸治ちゃんと、王子様こと東雲奏太のことだけだった。
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