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意外な
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それでも結局勉強会をする事になり、翌日の放課後、俺たちは貴人の家にお邪魔することになった。
「ここが貴人の家..?」
「うんー、ちょっとメルヘンだよね」
貴人の家は駅前にある立派な庭までついている一軒家だった。
白を基調とした外見に庭の花壇には様々な種類の花や置物、小さな遊具まで置いてある。
...たしかに少しメルヘンチックな感じだ。
しかし高一の時から、バイトしてない割に金持ってるなとは思っていたけど、なるほど納得。
顔良し頭よし運動神経よしという何とも贅沢なこの男は、更には家が金持ちだったらしい。
.....なんて野郎だ。
「はやく家ん中入って。外暑くて俺死んじゃうよ!?」
玄関先でおいでおいでと手招きする貴人に促され、俺と東雲は遠慮がちに中へと入る。
「お邪魔します」
「お邪魔します」
「あははっ、今誰も居ないから挨拶なんていらないよー!」
二人とも堅苦しい、と一人ケタケタ笑う貴人。
何がおかしいのか俺にはさっぱり分からんが、それよりも先に目の前に広がるメルヘンチックな内装に目がいく。
下駄箱の上に置かれた女の子の人形に、花瓶に飾られた花。
白いレースの飾り物や、何とも可愛らしい写真たて。
どれも貴人からは想像できない程可愛らしいものばかり。
貴人母の趣味かな、とは思うが、これ程まで一人の趣味が前面に出ている家は初めてだ。
俺と同じように東雲も色々思うことがあったのか、置かれた人形を指でつんつんと触っていた。
「俺の部屋二階の突き当たりにあるから、先に行ってて」
そう言い残して、奴はリビングに入っていく。
俺と東雲は戸惑いながらも、とりあえず靴を脱ぎ階段を上った。
「なんか、すごい家だな」
「うん、すごく可愛いね。綾瀬には似合わないけど嫌いじゃないな」
心なしか東雲の声音も少し上がっている気がする。
東雲ってこういうの好きなのか。
意外と言うかなんというか、少し変な想像をしてしまった。
「........」
(いや....別にいいんだけどさ)
そんなこんなで部屋で二人大人しく待っていると、暫くしてお菓子やら何やらを持って貴人が部屋に入ってきた。
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