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回避
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好きな人を家に招く時の気持ちってこんな感じなんだ。
初めて感じる緊張感をジーンと味わいながら、園原を座らせる。
「俺、飲み物持ってくるね」
「ああ、悪いな」
一言断ってから部屋を出た俺は、そそくさとコップに麦茶を注ぎ再び部屋へ戻った。
机の上にコップを置いて、ちゃっかり園原の隣に座る。
別に変なことしようと思って呼んだわけじゃないし、隣に座るくらいいいよね。
案の定、園原もあまり気にしていない様子だった。
「結構シンプルな部屋だな」
部屋をざっと見渡しながら問われ、俺もつられて部屋を見る。
「あんまり部屋に物を置くの好きじゃないから」
「へぇ。貴人んちの人形とか気に入ってたから、そういうの好きなのかと思った」
「あれは...可愛かったけど、流石に自分の部屋には置かないよ」
「ま、そうだよなー」
俺の答えに納得したらしい園原は、コクコクと少しずつ麦茶を喉に流し込む。
そんな彼の喉仏をジッと見つめているだけで、何だか変な気分になりそうになった俺は、サッと視線を逸らした。
「そ、そうだ。お腹空かない?お昼ご飯作るよ」
「え。お前料理できんの?」
気を紛らわせるよう咄嗟にふった話題に案外のってきた園原。
こちらに向けられた視線は若干輝いている様にも見える。
「炒飯とか簡単なものなら、すぐに出来るよ」
そんな顔をされたら、作る他ないだろう。
「まじかっ、食いたいかも」
「...っ!じゃあちょっと待っててね」
まさかいきなり手料理をふるまう事になるとは思わなかったけど、なんかいいなぁ。
好きな人に自分の料理を食べてもらえるって...。
まぁ、手料理って言っても炒めるだけなんだけど。
俺は腕をまくり、気合を入れ直したのだった。
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