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苦悶
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とりあえず、園原が帰ってからお皿を洗おうと、シンクに置いて俺は部屋に戻る。
すると、園原はもうトイレから帰ってきていた。
「トイレの場所わかった?」
「おう」
園原に話しかけながら再び彼の隣に座るが、場所的に媚薬入りの小瓶が入った引き出しをちらちらと気にしてしまう。
(媚薬のことは一旦忘れよう..)
持ってても使わなければ何も問題ないと自分に言い聞かせて、サッと例の引き出しから目をそらした。
それと同じタイミングで、「そういえば」と園原が口を開く。
「何でいきなり家に来てなんて誘ったんだよ」
俺が園原を家に誘った理由...。
それは勿論...
素直に返答を返そうとしたとき、再び脳裏に余計なものが浮かんできた。
「...っ!!」
だから、今日は別に媚薬を使おうとか思って園原を呼んだわけじゃないんだってば...っ。
た、確かに今まで俺がやってきたことも決して同意を得てきた訳じゃないけど。
それでもやっぱり媚薬は段違いに良くないと俺は思うわけで。
俺の中では、やっていけないことの上位に入り込んでくるわけで。
本当に、これっぽっちも、媚薬を使おうなんて思ったことないんだよっ。
「..........」
もう、本当媚薬の事は忘れよう。
随分言い訳くさいことを、頭の中でぐるぐると考え込んでしまう俺を見ていた園原の頭上に疑問符が浮かぶ。
(うぅっ...綾瀬のせいだ)
ここにはいない綾瀬に「なんであんな物渡したんだよ」と心の内で文句を言ってから、自分を落ち着かせるために一つ咳払いをした。
それからゆっくり息を吐いて、俺はもう一度しっかりと園原の目を見つめる。
「奏太?」
じぃっと見つめられることに気恥ずかしさを覚えたのか、ははっと乾いた笑みを浮かべながらゆっくり目線を外す園原。
...もう、何でこんなに可愛く見えるんだろう。
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