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目が覚めると
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目が覚めると、そこは病院のベッドの上だった。
俺はそんな展開を期待していた。
だから、目を覚ました時ベッドの上だと言う事が分かってひどく安心した。
しかし、俺はすぐにその考えを改めることになる。
じゃら
「んだよこれ、くっそ、外れろっ」
俺は上半身を起こして、四肢に着いた手錠をがしゃがしゃと揺らす。
だが自分の身体が擦れて痛むだけで、外れそうな気配はない。
一旦手錠を弄るのを止めて周囲を見回す。
まず感じたのはこの部屋がやたら広いと言う事。
ベッドも普通サイズを三つくらい並べたような大きさがある。
壁も天井も一面真っ白で、床だけがコンクリートの打ちっぱなしだった。
床と壁の境目をよく見ると床にもちらちらと白い点が有ったので、恐らく打ちっぱなしの壁に後から漆喰を塗りたくったのだろうと推察できる。
そしてその床にはさらに排水溝のような網目の丸い金具がはまった部分があるので、よくわからないが恐らく微妙に傾いているのだろう。
排水溝が有ると言う事は、と思って壁を探すと予想通り蛇口が有った。
漆喰同様新しく着けられたのか、恐らく温度を調節するためのごてごてした機械が付いて、金属部分はピカピカに光っている。
更にそのまま壁を目で見渡してみると、窓がないことに気付いた。
同時に天井全体が明るく光って照明の役割を果たしている事にも気づく。
一体何の部屋なんだろうか。
そう思った所で、その部屋で恐らく唯一の出入り口である茶色いドアが開いた。
始めに入って来たのは老紳士然とした男性。
「おや、もう起きておられましたか」
次に入って来たのは綺麗な顔をした・・・男の子、だよな?
「ほら、春も入っておいで。繋いであるから大丈夫だよ」
少年(多分)に手を引かれて入って来たのは・・・ん?同じ顔・・・いや微妙に違うか。
「い、樹ぃ、怖いよぉ」
老紳士は分からないが、少年たちの名前は分かった。
えぇっと、先に入って来た髪がストレートの方が『いつき』で、ふわふわしてんのが『はる』か。
・・・にしても性別ほんとに男であってんのか?
大体日本人じゃねーよな、金髪に、白い肌、目は・・・でかいけど黒いな。ハーフか?
こいつらだけしかいねぇんなら、二人とも華奢だし思いっきり暴れれば何とかなるか。
あーいや、あの爺が問題だな。何か嫌な予感するし・・・。
「暴れたりなさらないのですね。賢明な判断です」
「うん、やっぱりこの子で良かったね、春」
「う、うん、大人しいね、これなら大丈夫かな」
さっき確認したときに手錠はベッドに繋がれていて、長さは俺の腕と同じくらい。
という事は今がむしゃらに動いてもしょうがない。無駄に体力を消耗するだけだ。
そう結論を出した俺は、とりあえずは一旦様子を見ることにした。
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