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老いた涙
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「あいつは・・・謝ったんだ、最後に、私に・・・ごめんなって、声も出せないのに・・・それは何なんだ、何であなたも、あいつも、私に謝るんだ、私は、何も」「したんだよ」
三番の声を断ち切る。
「何であんたに謝ったかって?そりゃあ悪い事したって思ったからだよ。
さっきも言ったろ、あんたの弟はあんたが一番辛いんだって分かってたんだよ。
それなのに何もしてねぇだと?まだそれを言うのかあんたは。
・・・あんたの弟は、確かにあんたに殺された。
でもな、それってこうも言えるじゃねえか。
あんたの弟は、あんたに殺されたんじゃねぇ。
あんたに、助けられた。ってな」
三番の表情が、歪む。
「認めて、そんで泣いてやれ・・・あんたにしか、それはできねぇから」
俺の肩に顔を落とした三番は、静かに身体を震わせていた。
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