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金具の音
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「あ、そうだ」
もう一度後ろを向き、双子に近寄る。
とうとう二人とも泣き出したのを見ないようにして、途切れ途切れのかすかな嗚咽も聞こえないふりをする。
「最後にな、これ、してもらったことないだろ」
半分賭けだったが、どうやら俺の予想は当たったらしい。
血に染まっていない方の手で、順番に二人の頭を掻き交ぜてやると、きょとんとした顔をした後俺
が撫でた頭を両手で押さえて、そのまま叫ぶように泣き始めた。
「じゃーな」
ふと三番の方を見ると少し呆れたような表情をしている。
・・・ちょっとやりすぎたか。
苦笑する三番の横に追いつき、再度扉へと向かう。
ドアノブに手を掛けて、引く。
が、開かない、金具の音すらしない。
「ははっ、何か懐かしいなこれ」
瞬間身体に衝撃が走り、腹に回される腕、肩のあたりで嗚咽混じりの荒い呼吸。
そして少し間を置いて、双子らしい重なった声が響いた。
「「ごべんなざぁいっ」」
三番と顔を見合わせて、俺はこれからの生活を想像して笑いながらため息を吐いた。
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