アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
カコ
-
俺がこうなったのは、小3の夏。
近所のお祭りの金魚すくいでとった、1匹の赤くて小さな金魚。俺は、水槽の中を泳いでいる姿を、ただただ眺めていた。生き物なんて飼ったことのなかった俺は、その金魚のことを兄弟のように思っていた。
今考えると、俺は、たかが金魚に執着しすぎていた。
金魚を飼い始めて1週間くらいたった時、俺はふと思った。
コンナニ大切ニシテイタラ、オ別レスルトキニ悲シクナッチャウ…
そして俺は、その年にしてこう思った。
ダッタラ俺ガ殺シテアゲタライインダ。
異常だなんて思わなかった。
ただ、金魚が俺の知らないうちに死んでしまうのが怖くて、それだったらジブンからお別れしたほうが楽なんだろうなって、小3の…8歳の俺は考えた。
金魚の入った水槽の中に、お湯を入れた。
そしたら、目が白くなった金魚が浮いてきた。
その時俺の頬はぬれていた。
サヨウナラ…
その時から俺は、生き物を飼わなくなった。
他人と関わらなくなった。
だって…
大切ナ存在ニナッチャウト、オ別レノトキニ悲シクナッチャウカラ…
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
1 / 15