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日常
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僕は、久し振りに日常らしい時間を過ごしていた。
朝食をすませた後、彼に母の介護をする上で必要なことを教わったり、様々な疑問を聞いたりした。
医師である僕でさえも、介護は全く別の世界なのだと思い知らされた。
学ぶべきことは多い。
僕は大切なことはメモを取りながら真剣に彼の話に耳を傾けた。
彼はちょっとチャラ…な見た目に反して
凄く真面目な人だ。
教え方も丁寧だし、要点をわかりやすく示してくれるから、教わる側は凄くありがたい。
「 少し休憩しましょう 」
母が静かに寝息をたてるのを確認すると、彼に声をかけられた。
彼とテラスに足を運び椅子腰を下ろす。
「 珈琲でいいですか? 」
「 あ。すみません 」
「 砂糖とミルクは? 」
「 ミルクだけお願いします 」
慣れない介護で、すっかり疲れてしまい、このまま今にも眠ってしまいそうだ…
「 疲れたでしょう。今のうちに少し横になった方がいいですよ。
介護は、頑張り過ぎず、こまめに休みながらやらないと続きませんから。テソプさんが倒れたら元も子もないですよ 」
言われた言葉の意味が身に沁みた。確かにそうだ。
ここで僕が倒れでもしたら、更に家族に迷惑がかかってしまうし、母も心配するだろう。
「 じゃあ…お言葉に甘えて… 」
淹れて貰った珈琲を飲み干して、僕はテラスを後にした。
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