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再会
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朝食を終えた後、お言葉に甘えて、僕はギョンスに勤務先の病院まで送って貰う事にした。
「 ギョンス、ありがとう 」
「 帰りまた迎えに来るから、仕事が終わったら連絡しろよ 」
「 ああ。わかった。ありがとう 」
僕が微笑むと、不意に腕を掴まれ引き寄せられた。
「 わっ!ギョ…んっ 」
刹那、ギョンスの柔らかで張りのある唇が僕の唇に重ねられていた。
「 んんんっ! 」
僕は慌てて引き離し、回りを見回しギョンスを睨んだ。
「 ばかっ!誰かに見られるだろっ! 」
僕の睨みに、ギョンスは「ははは」と軽く笑うと、小さく「愛してる」と囁いた。
そんなギョンスに、僕は「敵わないなぁ…」と心の中で呟き、真っ赤な顔で「僕も…」と囁いた。
僕の囁きにギョンスは、満足げに手を振り、サイドブレーキに手を掛けた。
ギョンスの車は滑るように走り出し、
僕は、見えなくなるまで手を振り続けた。
「 さて、今日もお仕事頑張りますか! 」
ギョンスとの愛ある生活の為にも、働かないと!
僕は自分に気合いを入れるように声を発すると、スタスタと病院の中へ入って行った。
〝ガチャリ〟
「 おはようございます 」
ナースステーションに入ると、其処に見覚えのある顔を見付けた。
「 あ…先輩…? 」
僕が気付くと同時に、その人は歩み寄り僕の手を取り握手をした。
「 テソプ!久し振りだな!元気だったか? 」
屈託のない笑顔を向けるその人は、僕の大学時代の先輩で、僕が尊敬している外科医だ。
「 ジュニョン先輩!何時此方に?
あれ、先輩脳神経外科じゃ… 」
「 ああ、此処の外科に今日から世話になる事になった。折角だからお前に会いたくてな 」
久し振りに見るジュニョン先輩は、
肌が黒く日焼けして、元々鍛え上げられた肉体が更にパワーアップしていた。
そんな視線に気付いてか、先輩は僕の肩に手をやると、
「 お前は相変わらず細いな~。ちゃんと飯食ってるか? 」
「 食べてますよー!最近はジョギングやスポーツクラブで少しは鍛えているんですよ 」
「 へえ~!運動嫌いのお前がねぇ。どういう風の吹き回しだ?恋人でも出来たか? 」
先輩は、からかうように笑いながら、僕の手元に視線をやった。
「 あ…これは… 」
先輩の視線の先にあるものは、
僕がギョンスから貰ったお揃いのエンゲージリング。
僕は始め、周りに色々詮索をされたくなかったので、職場では外していた。
ところが、ギョンスがどうしてもはめていろ、と言うので、こうしてはめている。
当初は色々詮索をされたが、逸らかすうちに皆諦めたのか、何も言われなくなった。
「 いるんだろ?恋人 」
「 あ…はい、まあ… 」
「 何だよ!煮え切らない言い方だな~ 」
先輩はまた笑いながら、僕の肩を叩いた。
「 そうか。遂に恋人が出来たか。いやあ、良かった良かった 」
そう笑いながら、僕の髪をくしゃくしゃと撫でた。
「 先輩…それやめて下さいよ 」
「 ああ、すまんすまん。お前も大人の男になったんだなー 」
「 …て、先輩にお会いした時にはもう大人でしたよ。先輩の中で僕は一体どんなイメージなんですか… 」
苦笑いをする僕に、先輩は懐かしそうに微笑みながら言った。
「 久し振りに会ったんだ。積もる話もしたいから、今夜どうだ? 」
僕は、ふとギョンスの顔を浮かべていた。
ギョンスの事だ、事前に連絡すれば大丈夫だろう。
僕は先輩と飲みにいく約束をし、仕事に戻った。
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