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お出掛け
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「 …ソプ、テソプ! 」
ふとそんな事をぼんやりと考えていると、不意に声を掛けられ慌てて視線をギョンスに向けた。
「 …あ、何だっけ? 」
ギョンスは既に食事を終えていて、自分の分の食器をを片付けながら僕の顔をニヤニヤと見てくる。
「 なんだ?妄想か? 昨晩の情事を思い出しでもしたか? 」
クックックッ…と楽しそうに笑いながら、空になった僕の分の食器を片付けてくれる。
「 違っ…!! 」
考えていた事を言うと、また怒られそうなので、僕は言葉を飲み込んだ。
「 さて、と。折角の休み。どう過ごすかな~ 」
すっかり後片付けを終え、ギョンスがパソコンの前で何やら調べている。
「 テソプ、行きたい所ある? 」
「 うーん… 今日はあまり歩かないで済む所がいいかな… 」
僕の言葉に、またニヤニヤ笑うギョンスに、僕はこれ見よがしに大きな溜息をついた。
「 …あー…じゃあ、大学。ギョンスの働いている大学を見てみたい 」
「 構わないが、結構広いぞ?歩けるか? なんなら… 」
「 いや、歩ける!大丈夫! 」
なんなら…に続く言葉に気付いてしまい青ざめる僕を、ギョンスはまたニヤニヤしながら見詰めながら、
「 よし、じゃ行くか 」
そう言うと、僕の手を引いて歩き出した。
****
ギョンスの勤め先の大学は特に写真や美術等、芸術に力を入れた大学だ。
また、クリスチャン系の大学で、敷地内に立派な教会がある。
「 うわぁ…想像以上に広いな…! 」
「 まあな。この辺りでもデカい方だと思う。 中の様子、見るか? 」
「 ああ! 」
ギョンスに連れられ構内へ。
構内は学生達の熱気と活気に満ちていて、普段僕が居る病院とはまるで違う空気だ…!
皆、青春を謳歌していて、僕にはキラキラと輝いて見えた。
廊下を暫く行くと、薄暗い部屋へ辿り着いた。
「 ここは? 」
「 写真芸術科専用の暗室。写真を現像、焼き付け等をする部屋だよ。おいで 」
ギョンスに招き入れられ、少し緊張しながら中へと入っていく。
部屋は、アトリエのようになっていて、奥に暗室がある。
アトリエには、壁一面に写真がびっしりと貼られていて、思わず声が出た。
「 うわぁ…これ、皆学生の作品か? 」
「 凄いだろ。 特に今年の写真芸術科は、個性的で印象的な作品を生み出す学生が多くてな。 俺もいい刺激を貰っているよ。 これぞ若者の感性!って感じだよ 」
そこには、題材も、色彩も、アングルも、実に様々な作品がズラリと並んでいる。
インパクトのあるもの。
控え目だが、実に繊細で情感豊かなもの。
見ている者の心を揺さぶるような、メッセージ性の強いもの。
等々…
僕は暫くその作品達に目を、心を奪われて見入っていた。
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