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誓い
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僕は溢れる涙を堪えて顔を上げた。
「 でも、僕は『世界中が敵』にならないようにしていきたい。 ギョンスが、世界から孤立しないようにしていきたい。 先に逝くのは、僕かもしれないし… 」
「 …テソプ!! 」
早合点し顔色を変えるギョンスを制止し、僕は言葉を続けた。
「 人生どうなるかは、誰にも予測出来ないだろ? 医者だから、それは良く身に沁みて理解しているつもりだよ…。 だからこそ、僕は、『僕のいない世界』のことも、ちゃんと考えていきたい。
僕のいない世界でも、ギョンスが周りの人と支え合いながら生きていけるように… 」
「 …テソプ… 」
「 だから、ギョンスを大切にしてくれる人達を、僕も大切にしたいし、生活に関わる人間関係を円滑にしていきたい。 だから、大学もきちんと一度見ておきたかったし、知っておきたかったんだ 」
「 …テソプ… 」
「 だから、今日は凄く嬉しい。
ギョンスが、僕を此処に連れて来てくれて、こうして、僕の心の奥底にある蟠りを解いてくれて…
ギョンス、本当にありが… 」
「 …テソプ!!! 」
僕の言葉を遮るように、ギョンスは僕を強く抱き締めた。
まるで僕が消えてしまうのを留めるかのように、強く、強く、抱き締めた。
そして…泣いているようだった。
「 ギョンス…?どうしたの?泣いているの? ごめん。変なこと言ったよね…。 ギョンス、僕は大丈夫だよ。もう何処にも行かないよ。ずっと、生涯、君の傍に居る。誓うよ 」
そう告げると、ギョンスは僕の瞳を見つめて深く口吻した。
まるでふたりを優しく包み込むように、ステンドグラスから差し込む柔らかなそして鮮やかな光が僕達を照らしていた。
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