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帰省
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3カ月後。
あれから母は奇跡的に持ち直し、
右半身が不自由ながらも、リハビリを受けられるまでに回復した。
その為、一時退院し自宅で経過観察をする事となった。
昼間はデイサービスにも通えるようになり、時折笑顔を見せてくれている。
僕はギョンスのマンションから実家に帰省し、昼間は病院勤務、夜は家族交代で母の介護をする事となった。
実家へ帰省すると、部屋は住んでいた時のまま、綺麗に掃除もされていた。
久々の実家。
久々の自分の部屋。
ここ数年、色々あり過ぎて、
必死に走って来たから、何だか一気に疲労感が押し寄せてきて何時の間にかベッドで寝転がったまま眠ってしまっていた。
『 ~~~♪ 』
「 んん… 」
鳴り響く携帯の着信音で目覚めると辺りはすっかり暗くなっている。
徐に携帯を手に取り通話ボタンに指を掛ける。
「 …はい 」
「 テソプ? 声どうした? 」
「 ああ。何時の間にか眠ってしまっていたよ 」
「 疲れがどっと出たのだろう。久し振りの帰省なんだ。まぁ、ゆっくり休めと言っても難しいかもしれないが、リラックスして過ごせよ 」
「 うん。ありがとう。ギョンスは?何してた? 」
「 今飯食った所。 やはりお前が居ないと、飯も味気ないな 」
「 ギョンス… 」
今朝家を出て来たばかりなのに、
もう何日も声を聞いていなかったと錯覚する程、何だか懐かしくて、心地良くて、隣に居ないのが尚更寂しくて…
僕は泣きそうになるのをグッと堪えた。
「 テソプ… 」
「 ん? 」
「 愛してる 」
「 …っ! 」
駄目…。
このタイミングでそのひと言はズルいよ…
「 …っ…う 」
せっかく我慢していたのに…
「 ううっ…っ 」
「 愛してる。待っている。心配するな。」
「 うう~っっっ!! 」
…反則だ…。
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