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隙を魅せて。23
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……………
日向心咲 28歳 職業、教師…
俺、何してんだよ。
嫌ってたはずの奴を好きになって…しかも相手は生徒。
最悪だ……
―――――――――…
現時刻16:38_
朝一度起きたものの起きることの出来ない状況にさせられ、その現況である西園寺は半ば強引に学校へ行かせた
そんなことを考えていたらいつの間にかこんな時間だった…
「……」
追い出した、ものの…そもそも追い出すってのは家の主である俺には当然のことであって、今この時間はおかしいんだ
「なんでそわそわしてアイツが来るの待ってんだよ…」
俺んちから追い出したんならアイツが帰るのは自分ちじゃねーか
っ……
別に待ってる訳じゃ、
「っくそ」
いてもたってもいられずにベッドにダイブする
身体中が熱くて堪らない。
もう、学校は終わった時間…こっから学校は30分の距離……
「っ~~」
なんで、待ってんだよ…
―――――――――――――…
「類ー!帰ろうぜ」
「ん、いや…悪い俺寄るとこあるから」
下校時間、用がない生徒や部活生は足早に教室を後にする
しん、と静まった教室に明るい声が響き
顔を向けるも間もなく机の目の前まできていた緒方啓は納得したような、だけどどこか不満な顔をする
「分かった、行ってこいよ!」
「あんがと、今度ケーキ奢ってやるよ」
「ショートケーキだぞ!っ、て~~、さっさと行ってこい」
「ん、じゃね啓ちゃん!」
「おう、またな」
―――――――――――――…
「っ、」
落ち着けない。どうしたらいいんだよ…
「……」
来るか分からない奴を待って…
風呂にも入ってるし…
頑張ってオムレツとか作ったし…
何してんだよ!俺!!
「っ、だぁも…」
やりきれない気持ちで枕に顔を埋める
携帯のディスプレイを眺めながら時間の経過を見つめるもののとっくの昔に予測時間は過ぎている
プルル…
「っ?」
突然切り替わったディスプレイには
「西園寺…っ」
緊張にも似たそれで恐る恐る電話に出る。
『こんばんわ』
「っ、…なんだよ」
『会いたいんだけど』
「今何時だと思ってんだ」
『7時前、かな』
「わかってんなら…『どうしたら』は?」
『どうしたら会える?』
「は?」
言葉を遮られたと思えば突然意味深なことを言ってくる類に心咲は眉をしかめる
「俺は別に会いたくなんか…」
『俺は会いたい…会って抱き締めたい』
「っ、お前なぁ…」
正直なところ、こん電話一本くれただけでも嬉しいと思っている自分がいる
だけど、やはり素直にはなれず反対の言葉ばかり出てきてしまう
ピンポーン……
「?」
不意にインターフォンの音が聞こえると、電話に手を掛けたままドアへと向かう
「誰が来たから切るぞ」
『……』
「西園寺?」
突然返事が聞こえなくなり、けれど通話は切られておらず首を傾げる
とりあえず携帯を持ったまま玄関のドアノブに手を掛けそれを回し少し重いドアを開ける
ガチャ…
「すいません、今取り込んでて後に……」
伏し目がちに言葉を述べ
顔を確認するために顔をあげる。
瞬間、携帯を落としてしまいそうになり携帯を持っている手に力を入れた
「な、なんで…」
『会いたくなった…から』
携帯に言葉を震わせる声は本人の声と通話中のままになった心咲の携帯からリンクして聞こえてくる
「っ…」
「なんでそんな驚いてんの?」
電話の通話ボタンをオフにするとポケットに直す
「だ、っ……だって、なんで来るんだよ…」
「だから、会いたくなったから」
「違…なんで来んの…」
「…それは、俺には会いたくなかったってこと?」
「っ…」
俯いたままでいる心咲は強引に類の腕を玄関に引き中に入れた
「逆だ…」
「逆?」
引き入れるとドアに押さえつけ類の胸に顔を埋める
「……ご飯、作った…」
「え、」
「……風呂にも入ってるし…」
「なんで…」
「……ずっと…待ってた、から…も、もしかしたらお前が来るんじゃないかって…」
「……、それはどういう意味で?」
「い、言わすんなよ」
「じゃあ、俺が勝手に解釈していいんだな?」
「っ、勝手にしろ」
曖昧な返事ではあるが類にはそれがただの照れ隠しなんてことは分かっているのであろう
「後悔しても遅いからな?心咲さん…」
抱き締める形で耳元で囁くとたちまち耳まで真っ赤にする
心咲はビクッと肩を震わせるもののコクンと頷いてみせた
「おじゃまします」
と、一言言うと類は心咲を軽々と抱き抱え寝室へと向かった
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