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「で?お兄さんは何が目的なの?」
少年はきちんとシートベルトを締めて訊いてくる。
「この車…お金には困ってないんだね。どうして僕を誘拐したの?お金に困ってないってことは身代金目当てじゃないんだね。僕の頭脳?運動能力?顔?…もしかして……身体?」
「君マスクしてるのに結構喋るね」
「風邪ひいてるわけじゃないけど」
そういうと、少年はマスクをとった。
「そうなんだ。あれ?すっごい綺麗な顔してるね」
「で、お兄さん誰?」
「あ、あれー?無視ー?ま、いっか。俺は高山疾実。普通のサラリーマン。」
「へぇー。僕は乃村純。私立のK高校に通ってる。」
「うわ、金持ち学校じゃん。俺その隣のE学校に通ってた。」
「うわ、超頭イイじゃん」
「え、照れる」
「それで?何が目的なの?金だったらいくらでも請求すると良いよ。女だって用意できるし。まあ、僕が目当てって言っても?別に良いけど?親が探しに来るわけないから。」
淡々と喋るこの高校生。
ゲイビ買いに行けないかも…
「俺の家まで案内するよ」
********************
「へぇ、ここなんだ。マンションって初めて。やっぱ最上階ってすごいね。良い眺め。てかさ、ただのサラリーマン?こんな立派なとこ買えないでしょ?」
「前まで製薬会社で働いててさ。動物の薬作ってたの。あ、そうそう。君のお父さんってさ、製薬会社の社長?」
「正解。よく分かったね」
「乃村って聞いたら誰だって気付くんじゃない?」
まあ、前の会社と関係あるしね?
「ふーん。そう?ねえねえペットは飼ってないの?」
「飼ってるよ」
「ほんと!?みたい!」
少年は今まで淡々と語っていたのに、ペットの話になったら目を輝かせた。
「猫だ!名前は?」
「スコティッシュフォールドの『ひい』」
「すごい。耳垂れてる…可愛い」
「それで、こいつはヨツユビハリネズミの『ゆう』」
「俺より可愛い顔してる」
「こっちは、ロボロフスキーハムスターの『めえ』」
「ちっちゃ…」
彼は動物が好きなのだろうか…興味津々で見ている。
「触ってみる?」
彼に制服を脱いでもらって。俺のスウェットを貸す。
そんなイケメンに着こなすなよな…。
ゆうは、臆病な性格で俺に懐くのにも1週間掛かったのに、純君には自分から触りに行った。
可愛い。トゲも尖らせてない。
めえはひまわりの種ばっかりかじってたのに、純君の前になったら、カラカラカラカラカラカラカラカラカラカラカラしつこく音を立てて走り出した。
俺は、夜飯作ってくっかな…
肉じゃがを作り始めたら
「高山さん!ひいが大変!」
「どうした?」
「ねちゃった」
純君の膝の上で、すやぁ…
すんげぇかわいい!
撮っちゃえ。
カシャッ
「良いですね…ペット…欲しいな…」
「純君は飼ってないの?」
「父が、薬作る時フェレットに薬打ってるの見てから…父の傍に動物は近寄らせたくないなって…。」
「薬、作るからね…」
彼の顔はひどく、悲しそうだった。
「今日は、泊まっていって。全部準備するから。何でも言って。」
「うん、ありがと。」
夜飯を2人で食べて、お風呂に入って、眠る。
「ベッドふかふか…毛布もふもふ…」
ベッドはキングサイズだから2人でも寝れる。
「おやすみ、純君。」
「おやすみ、高山さん。」
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