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6話目
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「ごめんね、まひろ。なんか、かっこ悪いところ見せちゃったなぁ…」
ぎゅ
「無理して笑ってんなよ。好きだったんだろ」
まひろは俺を抱きしめる。
口調こそきついものの、穏やかに包み込むように、背中を撫でてくれた。
「兄貴…あんなの、作らなくていいから。俺のせいだったら、謝るから。」
俺とまひろには、境界線がある。
兄弟という境界線だ。
男であり、兄弟である。
俺が高校卒業したとき、まひろに告白をされた。
『兄貴、彼女いないだろ?あのさ、俺兄貴のこと好きなんだけど…俺と付き合ってよ』
思わず逃げ出した。
怖かった。
可愛くて、純粋だったまひろを汚したのは俺だと感じたから。
けんじさんの元へ、逃げた。
最初から好きだったわけじゃないけど、関わっていくうちに、好きになってたみたい。
それでもまひろは、ずっと俺を好きでいてくれて…
「まひろは、悪くない…」
「兄貴?」
俺は、まひろから離れて、目をしっかりと見つめた。
「俺、まひろのことずっとずっと好きだった。でも、怖くなって逃げた。好きだけど、まひろと一緒になったら…俺たち…きょうだいじゃ、なくなっちゃ…んだ、よ?」
涙で、声が震えた。
「まひろ、俺…」
「兄貴…俺たち、兄弟やめよう。」
まひろの眼は真剣で、本当に兄弟ではなくなっていく気がした。
「俺、兄貴のこと、こんなに好きなんだぞ」
まひろは、俺の手を引いて自分の胸に当てさせた。心拍数がかなり早い。
「兄貴のこと考えると、心配になるし。でも、兄貴の笑顔見ると、ここがきゅーって音がなるみたいに苦しくなって…でも、その笑顔、守りたいって思う。俺、口下手だから、うまく言えないけど…兄貴のこと…本気なんだよ。」
「まひろ…。俺、悲しい。」
俺の一言で、まひろの顔は青ざめる。
「でもな、嬉しい。俺もまひろのこと好きだから」
俺は、まひろにキスをする。
「ちょ、俺からやろうと思ってたんだけど!」
「ごめんごめん。はい、していいよ。」
「や、そんな改まって…」
「はーやーくー」
ちゅ、ちゅぅ、ちゅ…
「んへへ」
「何笑ってんだよ…」
「まひろからちゅーされんの、嬉しい」
「〜〜〜っ!!兄貴の笑顔が世界一可愛い…」
思いっきり抱き締められる。
「はははっ!可愛いのはまひろだよ。」
「な、なあ兄貴…もう一回…」
「いいけど…俺のことあきのって呼んでくれるなら、ね?」
「へ…」
いつも無表情なまひろが、顔を赤らめる。
ごめんな、まひろ。
俺の方が好きみたい。
「あ、あ…あき…の」
「だめー『の』が仲間外れですー」
「っ…あ、ああ……あきの」
「なーに?」
「俺、えっちしたい」
「へ?ちゅーじゃないの?」
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