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第10話
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「部長!次の萌えキャラも奥様にご依頼しても…」
「ああ。大丈夫だ。最近、輝敬も落ち着いてきたからね。」
「落ち着いてきたって言っても、育児大変そうっすよね」
「そう見えるのか?」
「うーん…俺が入社した時から部長って仕事仕事ー!って感じで、まさか子供産んじゃうなんて…それに結婚した相手がまさかの仕事関係者…部長って侮れないっすね」
「まあ、仕事は好きだな。好きでこの会社に入社したし…でも、家に帰るとな、嫁と息子が待ってるんだよ。かなり嬉しいぞ?俺はこいつらのために働いてるんだって。」
「わーっ!皆さん部長が惚気てますぅぅ!」
「何です?部長が?」
「部長、息子さん見せてくださいっ!」
「奥さんはどうやって落としたんですか?仕事の時に使うような上級テクとかあるんですか?」
「お前ら…仕事しようぜ」
会社のみんなは、俺の嫁が男であることと、嫁との間に息子がいることを知っている。
同性愛は、世界でもかなり認められてきているが、会社のみんなに知らせるには、かなり勇気が必要だった。
もしかしたら、偏見を持つやつもいるかもしれない。そいつらの気分を害するかもしれない。
色々な悩みはあったわけだが、いざ知らせるとなると、割れんばかりの拍手で包んでくれた。
でもそれは、普通に…いや、かなり嬉しいことだ。
「ただいま」
「おかえり。晩御飯出来てるよ。」
ピンクのエプロンをつけた敬司が迎えてくれる。その腕の中には俺たちの愛の結晶、輝敬がおしゃぶりを咥えて眠っていた。
「ああ。……寝てしまったのか。」
敬司がキッチンに行くため、俺が代わりに抱いてやる。
とても温かく、抱き心地が良かった。すべすべでもっちりしてる肌が愛らしい。寝顔は王子様だ。敬司に似て、肌はまっしろで、まつ毛が長い。口はアヒル口というやつだ。
こりゃ将来、かなりモテるぞ。
「あ、そうだ。また、イラスト描いてもらえないか?次の企画でも、お前のイラストを採用したいってみんな言ってて…」
「うん、任せて。最高に可愛い子描いてみせるから。」
「うん、楽しみに待ってる。」
ちゅっ…
敬司の額にキスを落とすと、顔を真っ赤にしてスープを渡してくる。
なかなか可愛い動作で…というか敬司がする行動はいちいち可愛すぎて俺の心はときめいてばかりなのだ。
「早速、描いてくるね。輝敬よろしく。」
敬司に資料を渡すと、そそくさと部屋に篭ってしまった。
「輝敬、寂しいな。」
ほっぺをスリスリしてやるとふにゃっと笑った。
天使すぎて困る。
「そろそろ、歯伸びてくるかな」
段々大きくなる我が息子を想像する。
『パパ』『パパ、ランドセルほしい!』『パパ、もうぼく小学生だから手つないで学校行くのはずかしいよ…』『父さん、算数100点取ったよ!』
「おお、よく頑張ったな」
「何が?」
俺が妄想しながら輝敬の頭を撫で回していると、いつの間にか背後にいた敬司が萌えキャラの描かれた一枚の紙を持って問うてきた。
「やっ、えぇっと…その…やぁ…んーと…」
「ま、いーや。はい、できたよ」
「相変わらず速くて助かるよ。」
「大輝、トロい人嫌いでしょ?だから、俺嫌われないようにしないと。」
「何言ってんだよ。こんな可愛い嫁嫌いになるわけないだろっ!」
ぎゅっと抱き締めると、はにかみながらも抱き返してくれた。
「大輝、愛してる…これからも、輝敬と幸せに生きていこうね」
「ふあぁぁ…んん…」
輝敬があくびで答える。
「敬司…輝敬…お前たち最高だっ!俺が一生養ってやるからな!」
渡辺家は幸せでいっぱいだ。
-END-
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