アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
①
-
「こ、ここがと、東京だ…やべ、迷路。迷子。やばい。」
スマホはとうの昔に電池切れ。
ここがどこだかわからない。
若者はいかつい兄ちゃんか、派手なお姉ちゃんたち。
それを横目で見やるサラリーマンから、でっけぇキャリーバッグを引く大人しそうなお姉さん。
ここは、いろいろな人が集まるらしい。(迷子)
交番を探せばいいか。
ドッ
「たたっ…すみません」
ぶつかったのは、美人な外国人だった。
「大丈夫ですか?」
男の人で、染髪じゃない金髪で、低い声で、俺の頭を撫でた。
ありゃ?子供だと思われてる?
「俺、アルンと言います。君は?」
「らんです…」
「らん。僕についてきて。」
そのまま、手を取られ、ついてきてしまった。
うわぁ、これあれでしょ、大変なことになっちゃうやつ。
薬運ぶとか、薬打たれるとか、殺されるとか、宗教の勧誘とか、殴られる?銃で撃たれる?最悪の場合、殺される…?
お父さん(いないけど)、お母さん、お兄ちゃん、お姉ちゃん、弟(いないけど)、妹(いないけど)…
今日まで、ありがとう。
もう俺ダメみたい。
ごめんなさい。
「入って」
この外国人に殺されちゃうかも…。
ああ、どうか、安らかに天国へ行けますように。
「シャワー浴びてきて?」
「へ?」
気付けば、どこかのビジネスホテルにいるらしく、少しリッチな感じだった。ここどこ?
ちなみに、俺が身に付けていたものは剥ぎ取られ、太ももには彼が顔を埋めていた。
「うわああああああああああっ!?」
「日本人はここまでしても突き飛ばさないんですね。優しくて涙が止まりません。」
彼は、スーツのポケットからハンカチを取り出し、本物の涙をぬぐった。
「あ、あ、あああ、あの…俺のふ、ふく、ふ、服、返してもらえるとありがたいというか…あの、」
「大丈夫。終わったら返してあげるね?」
そういえばこの外国人何人?
日本語のイントネーションなんて完璧(東北の訛りが入ってる俺からしたら都会の話し方と同じに聞こえるくらい)だし。
「らん…これから君は、大儲けできるよ。」
やっべぇ…まじでフラグ立ちまくってる。
大儲け→やばい仕事
「はい、バスタオルとコスチューム」
うん、うん…?
コスチュームが見慣れないけど、きっと闇の組織には清潔な状態で入らなきゃだから、田舎の水で身体を洗った俺は汚いのだろう。
あっ、そうだ!シャワーの時間を長くして焦らして、焦らして、焦らせば助かるかも…。
「芹川らん、シャワーを浴びてきますでござる!」
「うん、行ってらっしゃい。ていうか、らん。日本語変だよー?」
バタンっ!
そこは広い脱衣所も設けられていた。
ふっへぇ…高そうなホテルゥ…
俺は、バスルームを覗いてみた。
ぬぉっ!?
バスタブが…バスタブじゃない!?
「あっ、あの!バスタブがバスタブじゃないんですけどぉ!」
「ん?あー…らんってば、温泉入ったことないの?」
「へ?温泉くらい入ったことありますよ。日本人ですもん」
俺がほっぺを膨らませて対抗すると、ふわっと抱きしめられる。
「え、え、えっ!?」
「日本人がリラックスできるように、露天風呂を真似たんだよ?」
バスタブではないバスタブは、大きな石が組み合わさって作られていた。まあ、温泉で見かける湯船だ。ふむ。
いや、ぜんっぜん
「い、意味がわかんな…」
「いいから、早く入りな?こんなに身体が冷えちゃってる。」
ちゅっと首筋にキスされ、ちょっと怖かった。
やべえ、外国人こえぇ…
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
57 / 129