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⑬斎藤side
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「皆川、今日…」
「ああ、ごめん斎藤。生汰が待ってるから」
あれから、皆川を飲みに誘うが、
『生汰が待ってる』
ということを口実に、断られるようになった。
「あ、そうか…引き止めて悪かったな」
「大丈夫だよ。じゃ、俺上がるから」
「おう。気を付けてな」
「お先、失礼しまーす」
皆川は頷くと、口元を緩めて出て行った。
「幸せそうじゃねーか」
ま、あいつが幸せならいっか…
「部長、煙草行ってきます」
「えー!斎藤君手伝ってよー!」
部長がむすっと睨んできたが、構わず喫煙所へ向かった。
「え」
喫煙所に入ったはいいものの…
な、何で泣いてんだよ!?
泣きべそをかいてうずくまっている社員がいた。
恐らく、部署は違う…俺より若そうだ。
「ひっ、ぐすっ…」
うわー…めんどくさそ…
「へっ?ぐっ、ひ…」
心では関わることを拒んでいるのに、気付いたらハンカチを差し出していた。
「ありがと、ございまひゅ…」
噛んでるし…
「どういたしまして」
煙草を一本取り出し、火をつける。
「なんか……あったのか?」
これが、俺とあいつの出会い。
-END-
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