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第10話
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「今日は部活終わるの早いんだね?」
「ああ、今日は監督とコーチが出張でな。ほんとは休部だったんだけど、三年だけ残って自主練してきた。」
「そうなんだ…。すごいね」
そこまで、頑張るなんて…
「熱中するものがあるって、いいなぁ」
羨ましい。
「大丈夫。焦んなくても、亮太にだってできる。熱中するもの。」
不思議だ。
彼にそう微笑みを向けられてしまうと、何故だかすぐにできてしまいそうな気がする。
「亮太、アイス食って帰ろーぜ」
「うん」
彼の隣は居心地がいい。
何故居心地がいいか…なんて理由を問われても上手く答えられないけど、彼の隣にいられたら、今はそれで十分だ。
「今度、俺の家で遊ばね?」
「い、いいよ」
誰かの家に行くのは、初めてだ。
「マジで!?…ついでに勉強教えてって言ったら怒る?」
うーん…と考える振りをする。
彼は少し慌てているようだ。
もし、僕を怒らせてしまったら…と考えているのだろう。
「…ううん。怒らない。」
「でも、考えてたってことは…」
「ちょっと怒るかも?」
「えーっ!怒んないで教えてくれよー!」
彼の隣は居心地がいい。
その理由は、嫌な事を全部吹き飛ばしてくれるから。
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