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めんこい憬ちゃん
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「ただいまぁ」
「たらいまー」
兄ちゃんが帰ってきたのは15:30。
憬を迎えに行ってくれたらしい。
「母さんに、帰ってきたってLINEしたらさ、『あ、そ。暇よね?15:00に憬迎えに行ってくれる?あと、帰ったらパンケーキ焼いてあげてね。あ、あとアイスも乗せてね』って。
強引すぎでしょ。」
「兄ちゃんがなかなか帰ってこないから母さんが拗ねちゃったんだよ。」
「へぇー、てか今更なんだけど、母さん働いてんの?」
兄ちゃんがキョトンとした顔で聞いてくるからイライラする。
「俺が高校生になったから専業主婦卒業したの!今は新しく建ったビルで化粧品売ってる」
「へぇー母さんが…」
「だから美人なんだな」
「おれね、これつくったの!」
憬は、兄ちゃんが懐かしいのか、幼稚園で作ってきた物を手渡した。
「ん?何これ」
「鶴だよ!」
可愛い憬が作ってきたというのに…
全く兄ちゃんってば褒めてあげることもしない…
「すごいな、憬。上手に作れるなんてすごいすごい!」
何これとか言われて少し半ベソをかいている憬に寄ると、空気を読めない兄ちゃんの代わりに褒めてあげる。
「ほんと!?おれね、せんせにほめられれれたの!」
『褒められた』がまだ言えないが、必死に伝えようとしてきて、もうなんだこいつ。
可愛すぎか。
「憬、兄ちゃんにも作り方教えて」
憬はスクールバッグに入れて持ち帰ってきたのか…
大量の折り紙を取り出した。
「だからこのバッグ俺に持たせたのか!」
兄ちゃんは何だか悔しそうにしていたが、構わず哲久と共に憬先生の折り紙教室を習う。
「まずはお山にして…」
「小さいお山にして…」
「ここをたんぼにして、逆もたんぼにするの」
「たんぼの端っこを谷にして、逆も谷を作って…」
「すじに沿って折るの。後ろのも。」
「内側に谷を作って…こっちもね…」
「あとは頭と尻尾を出すの!」
「あーっ!できた!」
「俺も」
「成、きったな、それ…え?鶴?え、何それ鳩?」
兄ちゃんが俺の傑作である鶴を馬鹿にする。
「んだよ…そういう兄ちゃんはできたの!?」
「ほれ」
Oh…
上手すぎ乙。
「くやしす…」
「まあ、これは成らしくてイイじゃん?」
哲久だって上手に作ってるくせに…
上手な奴に慰められてもな…
「兄ちゃ、じょーずだよ!」
憬…お前は…
「めんこい!!!!」
「「なぜなまる」」
「兄ちゃん、おれにぎゅー…おれも兄ちゃんにぎゅー」
「はわわわぁぁ…」
幸せでござる。
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