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喋れない
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俺が少し焦りながらそういうと、酒井教授がバッと俺を見た。
その一瞬で空気がピリッとした物に変わる。
「…でもなんか仲良さそうな友達といましたし、」
「…友達、?ミヤくんが、?」
「…はい、あの金髪の……」
「………っ!!!!」
俺がそう言った瞬間に酒井教授は目の色を変えて急に立ち上がった。
そして教授自身の大きな机へと小走りで行く。
その様子は完璧に余裕なさそうだった。
そんなあまりの雰囲気の変わり様に、全くついていけてない俺。
すると
「金髪って、もちろん長身で顔が整ってた奴だよね?」
教授がなにやら、焦りながらカタカタとパソコンで調べながら俺にそう急いで聞いてきた。
「え、あ、はい、多分…」
「………っチッッ!!!!!!」
「……っ!!」
あまりにも普段温厚な教授が、そう俺の答えを聞くと大きく舌打ちをした為不覚にもびっくりしてしまった。
…………怖っ……
すると、今度は急いでどこかへ電話をかけているようで、短い電話を済ませると、また荒く受話器をガシャン!!!!と戻す。
そして
「……、木村くんもミヤくんもどっちも講義を休んでいる、!!!!……っどうして君は2人を止めなかったんだ!!!!!!」
そうやって、また何処かへ電話をかけながら、急に俺に向かって怒鳴ってきた。
え、え、え、何、俺?!?!?!
確かに、2人の様子はどう考えたっておかしかった、。
俺だって止めるべきか悩んだ、けど…、
「……、でも金髪の方が資料を探しに行くっていって.!」
俺は必死で自分は悪くないと教授にそう訴える。
「…だからあそこの資料なんて今は読まれてないんだって!!!」
そういって怒鳴る教授に少しカチンときた。
つーか、部外者な俺がそんなこと知る由もなくね?!!
「、んなのさっき知りましたし!!!つーか、なんでそんな心配してるんすか、!?…いくら今使われてない場所っつったって、アイツも男なんですから、!!しかも、友達と一緒だったし!!!!!んな心配する必要ないですって!!!!!」
俺もそんな教授にキレ気味でそういうと
「…ミヤくんは過去三回、木村くんに襲われかけているんだ!!!!」
「……え、…?」
は、…?、え、…なに、襲われる、…?
木村とは、あの金髪男のことだろうか……
男が、…男を……?…え…
こんな、天下の大学で…?
「……え、それ、どーいう…」
急に覇気をなくしてそういう俺に、教授は頭を悩ませながら、話し始める。
「…、どーいうもなにも、そのまんまの意味だよ。…どれも未遂で終わってるのがせめてもの救いだけど、…だから、我々も彼には気をつけていたんだけど……」
気をつけてた…って…
「.え、…ちょっとまってください、ミヤ…ってアイツ男ですよね、?」
俺が訳がわからなくなりそう聞くと
「……ミヤくんは、顔も雰囲気もちょっと普通とは違うじゃないか、なんというか男にしては綺麗だし、。
そのせいもあって結構ファンがいろんな場所にいてね、、」
"もしかしてミヤのファンなんじゃねえの〜?"
ふとヤツの言った言葉が脳裏をよぎる。
「……それで、木村くんだけは特に要注意人物なんだよ、…」
はぁぁぁ……と、困ったようにそういう教授に
「……っでも、なんで過去3回もそんな事起こしてるのに、停学とか退学と措置が取られてないんですか?!」
率直にそう疑問をぶつけると
「…、それは木村くんの家がうちの大学と提携してるような大きな病院だからっていうのが一つ。、それと男同士でっていうのになんの確証も無くて訴えられないっていうのが一つ。……とにかくこれが結構ややこしいんだ。」
教授はまたそう言ってはぁぁぁ……とため息をついた。
大きな病院、………、、そんな事は俺は知らないけど、、でも、…、
「……、でも、俺、あいつにちゃんと声掛けたんすよ、?!……っなのにアイツ俺の事を無視したんです、もし、本当に嫌だったら、そんな事しませんよね、?!泣いてでも助けも求めますよね、?!」
俺は気付いたらそう必死になって教授にいっていた。
言いながらも、チラチラとあの時の都の恐がった表情が浮かぶ。
俺はあの時、気にしながらもアイツを助けなかった。
でも、しょうがないじゃないか、!
だってあいつが無視したんだから!
助けを求めなかったんだから!
チラチラと脳裏に浮かぶその表情にひたすら俺はそう言って消す。
俺は悪くない、…俺は悪くない…!!
…………、しかし、そんな俺の耳に届いたのは、予想だにしない教授の言葉だった。
「………………っ、だからミヤくんは喋る事が出来ないんだよ、!!!!」
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