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白い部屋とココア。
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ーーーーーーーーーー
「………、はぁ…、!」
一通りの作業が終わって俺は白い部屋の中のベッドに倒れこんだ。
今まで精神を張り詰めていたせいか、横になった身体がじんじんと緩む。
…、ひっさびさにこんな自分を忘れて必死に動いた……。
………、でも、
俺は身体を傾けて、隣のベッドに眠る奴に目を向ける。
スーー…、スーー…
自分と彼以外はいないその空間に彼の安定した呼吸音だけが静かに響く。
……とりあえず…、……とりあえず大丈夫そうでよかった…、、。
さっき、彼をあの部屋から急いで連れ出して大学内の保健室へと直行した。
幸いな事にここにいるまでに誰にも気付かれず、しかも保健医も留守だとかで不在で、こいつの姿を誰にも見せる事はなく済んだ。
…確かに保険医とかはいた方が良かったのかもしれないが、こいつもできるだけこの姿を見せたくないだろうし…多分これが一番良かった結果だっただろう。
そんな気持ちに一安心し、俺は身体を起こす。
こいつが起きた時用に飲み物でも用意しておこうかな、。
確かここら辺に色んなインスタントの飲み物が置いてあったような気がしたんだけど…、あ、あったあった。
俺は記憶だけを探り保健室のちょっとしたキッチンのようなところに置いてある電子ケトルに水を汲みスイッチを押す。
コーヒーに、紅茶に、それから抹茶ラテにキャラメルマキアートにそれにココアに……ってスゲェここ種類多いな、!!
あまりの保健室のドリンクの揃いに少し驚く。
暇な時にみんなここに集まって好きなお茶でも飲みながらたむろでもすんのかな、…
あ〜、そういえば保健室って結構いつも人いたりするよな、…アメリカの大学でもそうだったわ、。
…俺は逆に人がいて苦手だったけどね
でも、こうやって利用するとなると結構便利なもんだ。
そんな事を思っていると。
ピーー、ピーーー
と、部屋の隅の方から電子音が聞こえた。
あ、…そういえば、こいつが着てたもの全部洗濯してたんだった。
俺は思い出したように、その音の方向へ行き、中から濡れた衣類を取り出す。
明るいところへ持ってきてそこでやっと気付いたけど、衣類とか、…そしてもちろん都自身も色々汚れていてすごい事になっていた。
服達は血や、それからこれが何かなんて考えたくないようなドロドロとしたものが付いていて、即効洗濯機にぶち込んだ。
そして都は、起きた後の事を考えて、保健室にあるシャワー室で身体や髪を洗って、ちゃんと乾かした後に簡単な手当てを施した。
…今になって、昔父さんに怪我の手当ての仕方を教えてもらった事に感謝したわ。
それにこの保健室のいい感じの完備にも。
洗濯機からシャワー室まで驚くほどよく揃っていてスムーズに色々できた。
…つーか、保健室の場所覚えといて良かった〜…
職業柄、色んな事に目を届かせるようにはしてるけど改めてその自分の癖に感謝する。
そんな事を思いながら服をハンガーにかけ干していると、ベッドの方から小さな物音がきこえた。
あ、…もしかして、起きたか、?
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