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優越感の理由
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「……ミ、ミヤくん、…っ、これ、……確認お願いできるかな、……??」
「…………」
今日もまた夏の日差しが傾きだした頃、俺はいつものように酒井教授の研究室に来ていた。
そしてまたいつものように研究室のソファで部屋内を眺めているのだが……
「……都くん、…っ、これ昨日クッキー焼いたんだけど食べない??」
「…………………」
「…………森先輩、っ今度出すレポートなんだけどチェックしてもらえないですか……!!」
……なんつーか、……あいつモテすぎじゃね……。
見てればさっきから研究室の奴らはしきりに声掛けてきてるし、研究室外からもちょいちょい質問にきたりしてる……
……というか、なんで教授でもなんでもないただの(ここ重要)院生に質問にくるんだ??……つーか、そもそもクッキー焼いてきたってなんだよ?!?!
………ふともう一度あの金髪野郎の言っていた言葉を思い出す。
"もしかしてミヤのファンなんじゃねぇの〜??"
あれを聞いたときは、ファンってなんだよって思ったけど…、、
「…………ファンって意外とあんのかもなぁ……」
「、なに?ミヤくんのはなし??」
俺が都のほうを見ながら溜行き共にボソッとそう呟くと、いつからいたのだが分からない酒井教授がそういってニヤッと笑った。
「……、うわ、酒井教授、いつからいたんスか、」
「うわって、なに〜、もー酷いなぁ。いま来たところです〜。ここに来てみたら、相変わらずソファで項垂れてるから何のことかとおもって。、で、ミヤくんがどーしたの??」
酒井教授は表情をかえないままそう言っていつものように俺の向かいのソファへ腰掛けるとなんか資料を読みだした。
「……いやぁ…あいつにファンが居るって割と本当なのかもと思って、…。……さっきから実際、赤い顔して話しかけてるやつ多いし…」
そんな教授にどストレートにそういくと
「……ファン?……ああ、そんなの当たり前だよ、ミヤくんは多いよ〜ファン。……何回かここの研究室にスカウトの方がきてるくらいにはね。」
「え、まじっすか、。」
なんかさも当たり前かのように言う酒井さんに俺は驚きの声を上げるも「帝大生であの顔であのスタイルであの雰囲気だよ?、モテない訳がないでしょ〜。」とひと蹴りされてしまった。
「…………、あいつってそんなかっこいいっすかね、〜…?…確かにこんなかだと明らかに目立ちますけど、…」
……そうそう。俺の本音はこれ。
確かに、階段の時とか、図書館の時とかあの時は怖ろしいほどに美しいと感じたが、…今こう改めて見ると……その時の印象が強すぎてさして綺麗に見えない、。
……いやいや、もちろん顔も整ってるしスタイルもいいのは分かるんだけど、誰もが見惚れるようなイケメンって感じではねえし、…。
そんなことを思ってついポロっとそうこぼすと
「……うっわぁ〜〜なにその発言。…君は職業柄、第一線の超絶美男美女しか普段見てないから目が狂ってるんだよ……。……、そんなきらびやかな世界とは無縁な僕らからしてみれば、都くんは天使に見えるね。」
酒井教授が冷たい口調でそういってしまいにはフンッとそっぽを向いてしまった。
「……いやいや……確かに人よりは綺麗な人間達を見てるかもしれないッスけど…。……つーかそのあたかも俺の目が普通じゃないみたいな言い方やめてくださいよ…」
「……やめてくださいって、別に間違ってないでしょ??……第一君は今まで何人もの超美人と浮名を流してきてる訳でね……はぁ……現に今も美しい彼女が居るでしょう?…そんな人にねぇ、同じ目を持ってると言われてもねぇ、、、。」
どうやらさっき俺が言った事が相当頭にきてるみたいで、酒井教授はそうトゲトゲチクチクと俺に向かってそういってきた。
ああ、うん。……、……えーーと、
「……あぁ、…それもう別れてるんで、」
一応そう修正を入れると
「…え、?!?!?!あの、アキちゃんと?!?」
と、教授がすごい勢いでこっちをみるから、それにつられて何人かの研究員までもが俺の方を見た。
……おいおい……そんなに驚くことかよ……
……つーか、酒井教授にまで俺がアキと付き合ったことが浸透してんのね、……すごいね、ああいうマスコミの煽り方。
「……そんな驚かないでくださいよ……、、」
「……いやいや……え、…?きみたちついこの間までお泊まりデートとか言って報道されてたよね…?」
酒井教授がなぜか詳しくそうきいてくる。
まあ詳しくはお泊まりですけどね、デートなんてしたことありませんから。
「……えー、それいつの記事っすか、?」
「……んーと……多分2週間前くらいかなぁ……?君の自宅の前で取られてた写真」
「……あー……じゃあ、そん時っすよ、振られたの。
」
「……ええ?!?!振られたの?!?!知らなかったよ…?!」
「……知らないもなにも…そんなことまで知られてたら怖いっすよ、…。……というか個人的に酒井さんがそこまで詳しく知ってたことに既に驚いてますよ、…。酒井さん、もしかしなくてもゴシップ好きな人っすね?」
「…ん?……うん。大好き、えへ。、週刊誌必ずチェックするのもはや習慣になってる、あははっ、……じゃあ、逢坂くんはもう破局してますって出版社にネタ売ってみようかな、」
若干最初から感じてたことをそのままぶつけてみると、案の定また無邪気な顔で返事をして、しまいにはニヤニヤとしながらそんな事を聞いてきた。
………、…はじめっからこの人変な人だなぁとは思っていたけど、つくづく俺の中の帝都大のイメージを木っ端微塵に崩してくるな……
「……はぁ…もうお好きにどーぞ」
なんだかそんな酒井さんに呆れのため息なのか、面白さのため息なのかとりあえず一つ吐きながらそういうと
「…もーー!嘘だよ〜〜!…とかいいつつ、お金に困ったら使わせてもらうね、」
「……ははっ、いいっすよ、いつでも話題提供します、……と言いたいところですけどね〜〜……もうしばらくは多分週刊誌に抜かれるようなネタは提供できないとおもいますけど、……はは、」
「……んー……そーなのーー?………あ、今日の茶菓子に美味しいカヌレ貰ったんだったよ〜、コーヒー淹れていい〜〜?」
「…………、あざす……」
ゴシップ好きとか言っといて結局どうでもいいらしい酒井さんは鼻歌を歌いながらそんな事を言って席をたった。
あんまり他人に干渉しない。むやみに他人の域に入って沼にはまる事をしない。……やっぱり酒井さん大人なだけあってそういうことちゃんと考えてるんだなぁ、。……だから俺は大人が好きだ。
、まぁ、そんなことはいいんだけど〜〜
「……というか、逢坂くん。、君、甘いよ。」
水が沸騰する音が聞こえ始めた頃、急に酒井教授が何の脈絡もないことを言ってきた。
「…………なんのことっすか、?コーヒーが、っすか、?」
案の定訳が分からずそう酒井さんの方向に首を傾げると「違うよ、ミヤくんのこと」と酒井さんが笑った。
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