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蜂の死骸と不死身の言葉。 都side
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窓からの光が、俯く髪の毛に反射して繊細に光ってる。
それが、こく、……こくっ、……と静かな呼吸によりゆっくり揺れる
…………まだ……寝てる、…………、?
………まだ…………、起きない…………?
ふいに、……突発的に、、…………そのふわふわの髪に隠された目が見たくなった、。
…………だって、この人はいつも僕の事を狩人のような目で、…………いや、……それは少し違うな、……なんというか、他の人とは違う、……まるで僕の全てを見透かすようなそんな恐ろしい目で僕をいつも見るから、……
だからそんな全てを見透かす目が閉じている所が、…少し、見てみたいと思ったんだ、……
……………………………
ゆっくりと包帯の巻かれていない手を、俯く逢坂さんの髪にまっすぐ伸ばした、
閉じた目が見たい、…………
いつも見られてばっかりで、……だからこういう時に、その顔を覗き込んで僕がその目を見透かしたい、…………
そんな突発的な欲望が、突っ張る点滴の管の痛みを感じさせないまでに消す、
さらーー………………、、
僕の中指と人差し指が逢坂さんの前髪に触れ、そしてゆっくりと左右に掻き分ける
…………あ、………睫毛、…………
手を伸ばしながら顔をゆっくり近づけてその目を覗き込む、
その、今まで僕を見る目しか見たことがなかったその目が予想の通り閉じて、その皮膚の切れ目に沿った睫毛が静かに下を向いていた、
……………………………、。
人の目の閉じた所なんて、こんな間近で見たことない、……いや………母さんの葬式以来かも、……
そう感じたと同時にふとその葬式やお墓のことが頭をよぎる。
そしたら急になんだか怖くなってきて、……
「…………………、死ん…、で…る、……?」
その開く所が想像できないくらいあまりにも静かに閉じるその目に、まさか、…………と、つい無意識にそうつぶやくと、
「…………誰が死んでるだ、バーーーーカ。」
…………っビクッッッ……!!!!!!!!
まるで今までの沈黙を切り裂くかのように低い声が降ってきて、
そして今まさに僕が視線を注いでいたその睫毛そのものが、まるで生き物かのようにパチッと開いてその奥の瞳がいつものように僕をジロ…とみる。
その突然の目線の交わりと声に、心臓が飛び出るくらいびっくりして思わず今まで伸ばしていた前髪から瞬時に腕を引く、。
…………心臓、止まるかと思った、……ビックリした、………
心臓が、バクバクいってる、………すごい、……びっくりした、………………
そう思いながらまだ速く脈を打つ自分の胸をさすると、
ピーー……!!ピーーー…!!!
と、…どうやら心拍数がずっと計られていたようで、その驚いて並々ならぬ速度の鼓動を打つ僕の脈に、身体と繋がれた心電図のモニターが赤く灯りその異常を音で伝えてくる。
…………、……僕、……べつに身体が悪いわけじゃ、…………っ
「…………っふふっ、……ふふふ」
それがわかってる逢坂さんがそんな僕をみてクスクスと笑う
「…………〜〜ッ!!!!」
……っぶわ……………っとその逢坂さんの笑いに恥ずかしさがこみ上げてきて、一瞬で熱を持ったかのように顔が真っ赤になってきた。
…、…い、…………いじわる…だ、……!
…………ぅ、……バカは、どっちだ、……、!!
しかし逢坂さんはそんな僕に追い打ちをかけるように
「…………っはは、…顔真っ赤なんだけど、…!!!ほら、そんな興奮してっとまたなっちゃうよ?……ふふ、…」
と僕をみてまたそう言ってクスクスと笑う、。
かあぁ……っとまたその言葉に顔が沸騰するように暑くなっていく、。
……こんなに人の前で、恥ずかしいと感じた事はない、…………っ、…、、
僕はその恥ずかしさに両手で顔を覆いかくした。
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