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こんな自分なんて
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兄さんが風呂から上がる音がした。俺はもう入ったし、まぁあとは寝るだけだ。
……寝るって2つの意味で使われるけど、どっちだろうね今日は。この前は健全な「寝る」だったけど……。
「ふー、あ、居たんだ時雨」
「うん、何だかその、落ち着くから」
「そっか」
「うん」
変に意識して、顔が見れない。するかも分からないのに、これって「期待してる」んだろうか?もしもそうなら、俺、ホントはこれ溜まってるんじゃ?
「時雨?」
「んっ、な、なに?」
「どうして顔、見てくれないの?」
「えっ、あ、その、だって……」
「…我慢してるの?」
「えっ?」
我慢してる、……バレてる?やばい、変態だって思われたらどうしよ、欲しがりすぎ?もうすでにここでもしかして充分な域に達してる??やだ、うそ、そんな、えぅ……
「ごめんね、我慢してたかな…?もっとイチャイチャしたいのって、俺だけ?」
「あっ……いゃ、その、……俺も……です…」
「ほんと?ほんとに?」
「うん…っ、俺、もっと兄さんとイチャイチャしたいな…?……皆、のこと、ずっと羨ましいなっておもって、たから…」
「そっか…、言ってくれればよかったのに、俺も時雨とイチャイチャしたいし…」
「兄さん……」
イチャイチャしたいのはやっぱ俺だけじゃなかったのか…!兄さんも同じだったんだ……、よかった、引かれなくて……。
兄さんが、片脚をベッドに乗せて抱き締めてくる。お風呂上がりのせいか暖かいからだと、いい匂いとで気持ちよくなってくる。
大好きな兄さん……、我慢、しなくって良かったんだ
そうわかった途端、心が軽くなった。もうこんな事で我慢なんてしない、もっと兄さんに伝えていかなきゃダメなんだ…!
「時雨、キス、してもいい?」
「…!……うん」
「……ん」
ちゅ
兄さんの柔らかい唇が、俺の唇と重なる。唇って、少し感じるんだな……。くすぐったいような、気持ちいいような……
「んぅ…ん、ふぅ……」
「…、っ、……ん…」
長くて深いキスをする。
ちゅ、ちゅるっ
兄さんと俺の唾液の混ざる音がする
舌と舌とが絡み合って、くすぐったくて気持ちいい。全身の力が抜けて、俺と兄さんはベッドに倒れた。
兄さんはキス上手だな…。俺は、初めてで全然分からないし、何をどうしたら気持ちよくなるかなんて分からないのに…
誰かと、したんだろうか、何回も
女の人?それとも男の人?
その人は羨ましいな
兄さんとキスが普通に出来て…
兄さんに受け入れてもらえて……
いいなぁ…
我慢しないって決めたはずなのに、これだけは言ってはいけないような……、分からないけど、言えない。
なのに、考えたら考えただけ、なんだか、頬に何かが伝う。
……涙……?
「…しぐれ?」
「……ぁ……」
「いや、だった??」
「ち、ちがっ……」
「じゃあどうして…そんなに、泣いてるの?」
「あ、や、……う……」
「教えて?なにかしちゃったかな……?」
言っていいのか?こんなこと?、俺頭おかしいとか思われないかな?なんだこいつってならないかな?怖い……
「俺何言われたっていいよ、時雨。ね?おしえて?」
……我慢しないって決めたのに……言おう、かな……
「……兄さんは、他の人ともこういうことした事あるの?」
「…うん」
「そ、だよね、兄さんモテるんだもんね…」
「でもっ」
「俺とはするの迷ってたんだよね、そうでしょ?」
「……っ」
「なんで……?やっぱ、俺がまだ、子供だから?」
「時雨…」
「俺じゃ、も、物足りなかったり、するんじゃ、ない、の?っ、ねぇっ…、俺、こういうの、分かんないし、でも、っ、兄さん、が、……っ、ほかの人としてるって思うとッ……ぅ」
「時雨…ごめん……、違うよ、だって、俺は、時雨に手を出していいのかなって…、決して、時雨としたくなかった訳じゃ……」
「……ほんとに?いいの?俺で?…っ、他の人よりずっと下手だと思うよ?兄さんのこと満足させられないよ?」
「……時雨ってだけで、満足だよ」
俺の独りよがりで独占欲丸出しなこんな戯言に、兄さんは悲しそうな顔をした
きっと、面倒くさいとか、思ってる……。
そうじゃなくても、俺いま、ひどいこと言ってる自覚はある。でも涙は止まらないし、言葉も溢れてくる。
俺の羨ましがりは今に始まったことじゃないけれど、心がモヤモヤしてイライラして、ほかの人って思うだけで、自分が小さくなっていって、兄さんの頭の中俺で満たしたいのにそう出来ないだろうなって思いが止まんなくて、悔しい。
兄さんごめんね、おれ我儘だったみたい…
こんな自分大嫌いだ…
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