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出会い
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その日から15年間、里親のあてもなくずっと施設で暮らしてきた。
ごはんを食べる時間なので、施設の食堂?というような場所に行く。
そこの通り道は先生たちの部屋で、時たま電話の声も聞こえる。
今日も先生は嬉々として電話を受けていた。
(ああ、また誰か引き取られるんだ…。)
ふといつもそう思ってしまう。友達は幸せになる、だけど、友達が一人減る…。
そうやって残念がる日々だった。
食堂について一息、いただきますと言ってご飯を食べる。
「未來くん」
「なに?」
「未來くんは、来年、どうする?」
「もう16だもんな。…ううん…寮のある学校に行きたいな。…それまでに引き取られなかったらの話しなっ」
「…そだね」
未來くんは同じ歳の子で、仲のいい子だ。
でもこのことも、いつ離れるか分からない。
どっちが先か、あるいは、どっちも無しか…。
「ごちそうさま。」
「ぁあ時雨くん、ちょっと来て」
「はい?」
ご飯を食べ終わるとすぐに、先生に呼ばれ先生たちの部屋に行く。
そこで、信じられないことを言われた。
「貴方を、引き取りたい人が居るのよ」
「えっ…?」
その時俺は、ああなるなんて思わないまま、ただただ驚いていた
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