アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
事実
-
「驚いた?」
「ぁ………え?」
雫さんの家の標識は…いや、きっと偶然だろうけど、「十六夜」と、書いてあった。
そう、そう、偶然だ。名字が被ることくらい、いくらでもある。
「まぁ中にはいってよ、話をしよう。」
「あ、はい!」
言われるがまま、俺は中へと入ってく。
まずはリビングの前に、部屋に案内すると言われ、荷物を抱えてついていく。
俺の新しい部屋は少し広めの7畳の部屋。
フローリングに白い壁。レイアウト変えたかったらいつでも言ってね、壁の色も変えてあげるよと言ってた。なんか、凄いと漠然と思った。
「さ、荷物置いたら、リビング行こう。まぁ、僕ら的に大切な話があるからさ。」
「はい!」
俺は雫さんに言われるがまま、後ろをついていく。
…にしても、広い家だなぁ、三階まであるのか…
「そこ座って。はい、アイスココアね。」
「あ、ど、どうも…。」
「まずさ、学校なんだけど…俺も大学あるんだ。確かもうすぐ受験だったよね?中学と高校は距離的に大丈夫?」
「あっ、中学は大丈夫です。高校も近いです。」
俺は、もし預かられたら受けようと思っていた高校があった。まさか、そこになるとは思ってなかったんだけど、近くて良かった。
「そっかそっか、なら、天気の悪い日は送ってくね?」
「えっいいんですか?」
「いいのいいの、今日からもう家族なんだからね。」
「は、はい…!」
その家族という言葉が、俺と雫さんに何の違和感も無いことに疑問を感じた。
だけど、そんなことよりも、家族が嬉しかった。
雫さんはもう車の免許はとってて、大学にも車で行ってるようで。
まだ18なのに、とことんすごいと思った。
「あー、それとね。…ここから、一番大事。」
雫さんは、急に真剣な顔つきになった。
そこから、淡々と言い始めた。
「あのさ。急にで驚くだろうけど、実はさ。君、血のつながった家族が居るんだよ。」
「えっ!?で、でも、えっ??」
「目の前に」
「…は?」
雫さんが言ってることが俺には少々理解不能だった。
雫さんが俺の実の家族?
「で、でも、家族は皆で死んだと…」
「あー、母さんの手紙でしょ。実はさ、あの時橋から飛び降りたんだけどね?俺ちょーど木に引っかかってね?運がいいんだか悪いんだか。んで、近くを通りかかった今のマネージャーに育てられたんだよね俺。運命じゃない?」
「えぁ…え、じゃあ…」
「そ、俺、君のにーさん」
雫さんはにこっといたずらっぽい笑みを見せた。
事実は、以外にすんなり俺の中に入ってきた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
5 / 51