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そんなの言えるわけない。
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ご飯も作り終え、食器を置いて席につく。
もう1年ほどたったのかと思うと、すごく早く感じる。
「いただきます」
二人で一緒にそう言って、もぐもぐと食べ始める。
今日は、生姜焼きとわかめと豆腐の味噌汁、ごはん、葉物サラダという具合だ。
二人とも、年の割には小食だからこれで十分。
「作文か、……レポートしか書いてないや…。」
「そういえば兄さんは、どんな大学に?」
「え?あぁ、理系の大学だよ。化学系の方の。」
「ふぅーん、理系は苦手だなぁ……」
「なんなら数学教えてあげようか?」
「ほんと!?おしえてほしい!総合科だからこの1年乗り切れたらいいんだ!お願いっ!」
「いーよ。後でね。宿題もあるでしょ?」
「あ、そだね」
そんな話をしながら、ご飯は食べ終わり、皿を片付ける。
その後お風呂に入ったりして、あとは勉強だけだ。
「そーいえばさぁ時雨?」
「ん?」
「もういっそ、俺の弟って事実がある上で活動してみたらどう?アイドルもがっこーも。」
「へぁ!?」
唐突すぎて変な声でた……
「俺の言いたいこと、わかるでしょ。」
「……隠すな、ってこと?」
「そう。……だって隠したらさ…」
「…?」
「…何でもない。」
兄はだまってしまった。
だけど、言いたいことはわかった。隠さないで欲しい、それだけだ。
ここは兄さんの希望通り、公にしていこう。
きっとそしたら、何かいいことがあるかもしれない。
……それでいい、兄さんにはお世話になってるし、少しくらい聞かなくちゃ。
「……(言えるわけないだろ……時雨がオレのものって証明だから、なんて。)」
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