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家に帰ると
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その日、家に帰ると、幽霊の両親がにっこにこしながら出迎えてくれた。幽霊だと言うのに、兄いわく生前よりも楽しそうだというのだから、人の幸せはどこにあるのか分からないもんだな。
「ねぇ時雨!今日のご飯は何??」
「んー?夜ご飯?」
「うん!お母さん時雨作ってるとこ見るの好きなのよ~♡♡」
「ぇー。んー、何作ろうかなぁ。ねぇにいさーん!今日ご飯何がいいー?」
「きょー?……ぅーん…………。そうだなぁ……。ピカタ……豚肉のピカタ!」
「ん、いいよー。スープは?付ける?」
「付けるー!」
お洒落な料理を……とも思ったが、作るの自体簡単だし、スープはコンソメジュリエンヌにしようかな。あとマカロニサラダ……なんて、料理に思考を巡らす。
今のやり取りを聞いていて、兄さん、随分と本性出てきたなーと思う。俺を引き取った時、兄さんはすごく大人に見えた。だけど今は、あんな風に、どっちが兄なんだか…。
というか、いつも一緒にいるみたいに思うだろうけど俺だって高校行ってるし兄さんだって大学行ってんだよー!会えない時はすごい寂しいけど、その分、楝に惚気話をぶちまけてる。
だけどなあ……あいつの方が惚気の質が高い……。そ、の、えっちの、話とか、……、デートの、話とか……。羨ましいけど、どうやったって2人とも忙しすぎて、デートなんか出来ないし……。
いいなぁみんなは、……。今日、一緒に寝ちゃおっかな、……寂しい、とか、絶対言わないけど、寝て、みたいっていうか、……。
そんな俺を、母がじっと見守っていた。
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