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聞いて?
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「よぃしょっと…」
キッチンへ向かおうと立ち上がった俺に
そいつはまた身体をビクっと震わせた。
…怖いのか。
俺はもう一度しゃがんでそいつの目を見る。
怯えたように不安そうに目を見つめかえしたそいつは「ぁ…」と小さく声を漏らした。
「ご飯…だいじょおぶです…。なくても…いい…から…。すぐ…でてくから…」
そいつは訳の分からんことをいう。
…この考え方も虐待故にだろう。
「ちょっとだけ話を聞いてくれるか?」
なるべく優しく営業ぽい胡散臭い声で
それでも怯えさせないようにそいつに話しかける。
コクンと小さい頭で頷いたのを見て口を開く。
「お前を追い出すつもりはねぇ。
そんな身体のお前を追い出したらいつ死ぬかわかんねえし。
あと、俺はお前の母親とは違う。
痛いようなことをする気はねぇし、なるべく怒鳴らないように気をつける。
だから、とりあえず、無駄なことは考えてないで、
俺のいうとおりにして、体力回復につとめろ。」
…ちょっと難しかったか?
全部一気に言ってそいつを見ると
おっきい目をまん丸にして涙を流していた。
「ボク…追い出さない…?ここに居ても…いい?
かあさま…知ってるの…??痛いの…嫌なこと…しない??ゆうとおりしたら…ボク……好きになってくれる…?」
頷きながら聞いていて最後の一言で止まった。
そいつは不安そうな顔で言っていて、
大変だったんだなと思う。
「…好きって言って欲しいのか?」
小さく…本当に気づくか微妙なレベルでそいつはうなづいた。
「いい子にしてたら好きになる。
いや、今も普通よりは好きに近いから。
だから、俺の言うことを聞けるよな?」
…最後の方は脅しみたいだが
そいつは嬉しそうに涙でぐちゃぐちゃな顔で
少しだけ微笑んだ
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